石破茂首相＝１７日、ペルー・リマ（ＡＦＰ時事）

　【リオデジャネイロ時事】石破茂首相は19日午後（日本時間20日午前）、訪問先のブラジル・リオデジャネイロで内外記者会見を行った。 　政党から議員個人に支出され使途公開の義務がない政策活動費について「廃止を含めた議論を（自民）党に指示している」と説明。その上で「国民の信頼確保に資するよう早急に結論を得る」と強調した。 　国民民主党が求める「年収103万円の壁」の見直しに関しては「労働供給、税収にいかなる影響を与えるか、さまざまな指摘がある」としつつも、「与党として真摯（しんし）に検討する。各党で丁寧に協議を進めたい」と述べた。 　トランプ次期米大統領を巡り、記者が「日本の国益を守るために厳しく対峙（たいじ）する展開もあるのか」と質問したのに対し、首相は「緊密に意思疎通していく。『対峙』という考え方を取らない。共に協力していくことが日米の国益となる」と主張した。 　首相は日米韓3カ国の協力にも触れ、「北朝鮮とロシアの軍事協力も進む中、戦略的な連携を継続・強化していく」と語った。 　首相は今回の南米訪問に合わせ、中国の習近平国家主席と初会談した。これに関しては「かみ合った議論ができた」と成果を強調。日本産水産物の輸入再開などに向け、「首脳間を含むあらゆるレベルで頻繁に意思疎通、往来を図り、課題と懸案を減らしていく」と意欲を示した。