<北陸記者リポート>センバツ OBからのエール続々 /富山
18日に開幕する第95回記念選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高野連主催)に出場する北陸、敦賀気比(いずれも福井県)、氷見(富山県)は全国の社会人野球チームにも多くの選手を送り出している。主なOBからのエールを紹介する。【青山郁子】 ■伏木海陸運送から氷見へ 富山県の社会人野球チームの強豪、伏木海陸運送(同県高岡市)では、中村(旧姓上山)賢宗さん(42)、細川晃司さん(29)、待寺航喜さん(26)の3人が氷見出身だ。特に中村さんは主戦として都市対抗と日本選手権に何度も出場した“レジェンド”。高3の夏は決勝で富山商に負け、甲子園出場はならなかった。前の試合まで4連投し、ライバル打線を抑えることができなかったのが最大の思い出という。 OB会から依頼され、引退後に母校のコーチを務めたほか、エースの青野拓海投手は同級生の息子、西川晃成内野手も親戚にあたり、現チームへの思い入れは深い。青野投手に対して「体格に恵まれ、あとは制球力が上がれば高みを目指せる」とアドバイス。全国大会出場経験から「雰囲気に飲まれることなく目の前の一球、一瞬を大切に。相手に気持ちで負けず向かって行けば、おのずと結果は出るはず」と背中を押す。 細川さんは現在の三津島淳校長が野球部長だった時のメンバー。3年夏は3回戦で高岡西に敗退。念願の甲子園出場をかなえてくれた後輩たちに「氷見の“何くそ魂”を大切に、1勝と言わずいけるところまで行ってほしい」とエール。待寺さんも3年夏は3回戦で富山商に逆転負けしたが、「今となってはいい思い出。あのきつい練習があったからこそ社会人の厳しい練習に耐えられたし、ドームにも行けた」と感謝も忘れない。 3人とも既に現役を引退しているが、「氷見市にだれもいなくなるぐらいの試合を見せてほしい」とそろって応援に力が入る。 ■ロキテクノ富山から北陸へ 昨年初めて都市対抗に出場したロキテクノ富山(同県上市町)では、福本勁信外野手(25)=京都府出身=が北陸OB。北陸時代は、敦賀気比や福井商に歯が立たなかったが、敦賀気比出身で同学年の平沼翔太選手(日ハム)、1学年下の山崎颯一郎選手(オリックス)と対戦できたのがいい思い出だという。 それだけに昨秋の北信越地区大会で母校が敦賀気比を破った時は「本当にうれしかった」。夢の甲子園出場に「自分たちがかなえられなかった夢を後輩が実現してくれた。センバツでは一戦必勝で優勝を目指してほしい」とエールを送るとともに、「自分も今年は勝負の年。結果を出して全国大会1勝を目指す」と誓う。 ■旧北陸銀行から氷見へ 何度も全国大会に出場した名門、北陸銀行(1999年廃部)では、元監督の矢方順さん(72)と、元捕手の安田篤さん(57)はともに氷見OB。矢方さんは65年の夏の甲子園出場を見て氷見に進学。安田さんは父、兄とも氷見OB。2人とも甲子園出場を逃したが、その後、北陸銀行で何度も全国大会を経験した。「甲子園は夢の舞台なので、緊張すると思うが、とにかく普段通りの野球で、勝利を」と期待を寄せた。