37年半ぶり円安水準 外国人向け“二重価格”飲食店 姫路城や海外でも
■世界遺産・姫路城 外国人は4倍の “二重価格” 検討
施設入場料の“二重価格”です。 世界遺産の姫路城。入城者数は、2023年度、約148万人。うち外国人観光客は約45万人で約3割を占め、過去最多でした。 姫路市の清元市長は、外国人観光客の入城料値上げを検討しています。 国際会議で、外国人観光客の入城料を7ドルから30ドルへ、約4.3倍の値上げを検討したいと発言しました。(※1ドル150円換算) 現在の入城料(18歳以上)は、1000円ですので、4.3倍だと、約4300円になります。 一方で、姫路市民は5ドル(約750円)にしたいとして、“二重価格”の検討を示唆しました。 清元市長は、外国人観光客への入城料の値上げについて、 「もうけようというのではない。世界遺産を維持する経費を算出するため。木造の城に大勢の人が上ると、木がすり減り壊れやすくなる」と説明しています。 姫路城の年間維持費は、2022年度で約12億7000万円かかっているということです。 外国人観光客の反応です。 アメリカから来た観光客 「多くの外国人を、美しい姫路城から遠ざけることになるんじゃないか」 イギリスから来た観光客 「少し不公平ですね。平等な料金であってほしい」 オーストラリアから来た観光客 「地元に役立つならいいと思う。よほど高い金額でなければ納得する」 清元市長です。 「姫路城を憩いの場として使う市民と、10年に1回来るかもしれない世界遺産目的の外国人観光客とは違う。値段が違うのはグローバルスタンダード」 大阪府の吉村知事も、 「(二重価格は)大賛成。大阪城もやったらいいと思う。外国人の費用が高いのは不合理とは思わない。それでも外国人観光客が見たいと思うかどうかだと思う」としています。 航空・旅行アナリストの鳥海さんです。 「これまでの日本の“二重価格”は、インバウンドの誘致のために、外国人観光客を無料にしたり、割引するなど、今も地方では外国人優遇策が行われている。これからの“二重価格”は、外国人の料金を高くすると同時に、ちょっとしたステッカーやサービスなど付加価値を付けるかたちがいいのでは」 海外の“二重価格”です。 ペルーのマチュピチュは、ペルーと周辺国の人は約5000円ですが、外国人は約1万円。2倍です。 エジプトのピラミッドは、エジプトとアラブ諸国の人は約200円ですが、外国人は約1800円。9倍です。 インドのタージ・マハルは、インドの人は約90円ですが、外国人は約2100円。およそ23倍です。 鳥海さんです。 「海外の世界遺産の一部では、オーバーツーリズム対策などで、“二重価格”をすでに導入している。さらに、途上国では、お土産店や飲食店などで、別メニューの“二重価格”を取り入れ、現地通貨ではなくドル払いを要求される場合も」 (「羽鳥慎一 モーニングショー」2024年6月27日放送分より)
テレビ朝日