いしわたり淳治が選ぶ今年の洋楽、真っ先に浮かぶ『Beautiful Things』
ちょっと格好よく、ポジティブに
10月16日放送のテレビ東京『誰でも考えたくなる「正解の無いクイズ」』でのこと。この日は「”老害”をポジティブに言い換えてください」という出題がされ、AIエンジニア安野貴博さんが「クラシックスタイルアドバイザー」と答えていた。「(老害と呼ばれる人たちは)要するに、昔のことをよく知ってる、と言えるわけじゃないですか。つまり、クラシックなスタイルについて色々助言をいただける存在だ、ということで“クラシックスタイルアドバイザー”。こうするとちょっとかっこいい感じがして、ポジティブになるんじゃないかなと思います」と言った。 なるほど。確かにちょっと格好いいし、かつポジティブな印象も受ける。いいアイデアだなと感心した。私も年齢的にはもう若者の部類ではないので、自分の言動が知らず知らずのうちに老害になっている可能性も否めない。今後、会議などで若者に何か提言せねばならない時などは、「その件につきましては、わたくしクラシックスタイルアドバイザーから言わせて頂くとですね、あ、いや、必ずこうしなければならないというわけでは、全くないんですよ。ええ、ええ。あくまでクラシックなスタイルでのアドバイスとしてですね……」などと、念には念を入れる形で、十分に言い方に気をつけて発言しようと思う。くわばら、くわばら。これで生きにくい時代も、チョビッと生きやすくなったカナ!? ナイスなアイデアを頂戴(ちょうだい)したネッ!
白ごはんに対する親しみの念
10月16日放送のABCテレビ『世も末ショートドラマ劇場』でのこと。「婚前契約」にまつわるショートドラマが流れた後、それを見ていた未婚のチュートリアルの徳井義実さんと既婚者であるブラックマヨネーズの吉田敬さんが、それぞれの視点から結婚について話していた。吉田さんは自身の妻 について、「ラーメンと白飯にあんなに注意してくるやつとは思えへんかった。“炭水化物と炭水化物やん!”って(いつも言ってくる)」と言った 。「店で子供が、“お父さんと一緒でラーメンと白飯!”って言うと、“ラーメンに白飯っておかしいで、あんたら!”って、(妻が子供に)本気で言うてんねん。マジで嫌がる人なんや、って後から知ってん。そうなるとこっちも“なんであかんねん! ほんなら、おにぎり2個食うたらあかんのか!”ってなってくる」と 笑った。 不思議なものである。これが仮にラーメンに半チャーハンなら、おそらくは吉田さんの妻も「炭水化物と炭水化物はおかしい!」とは注意はしないだろうと思う。では、そこからチャーハンの具材と調味料と油分を取り除いてラーメンと白ごはんにしたらどうなるかというと、不思議なもので「炭水化物と炭水化物じゃん!」と言いたくなる何かが、そこに生まれてしまっている感じがする。油も塩分も減って、むしろ健康的な気もするのに、である。 たぶん、白ごはんは日本国民の親友なのだろう。いや、白ごはんに対する親しみの念は、もはや家族と言ってもいいかも知れない。だから私たちは、白ごはんが恋人を連れて来た時、反射的にその相手のあら探しをしてしまうのだ。私たちの大切な白ごはんにお似合いの相手かどうかを、無意識のうちに品定めして、あれやこれやおせっかいで言いたくなってしまうのだ。そういうことなのではないかと個人的には思っているのだけど、どうだろう。