GRADO、最上位ヘッドフォン「Signature HP100 SE」。新設計ドライバ、初のケーブル着脱対応
ナイコムは、米GRADOのオープン型ヘッドフォン・フラッグシップモデル「Signature HP100 SE」を12月19日に発売する。価格は396,000円。 【この記事に関する別の画像を見る】 Gradoの創設者であるジョセフ・グラドが1990年代初頭にリリースしたヘッドフォン「Signature HP1」。彼の生誕100周年と市場の節目を記念して、そのスペシャル・エディション・ヘッドフォンとしてリリースされるのが「Signature HP100 SE」となる。「先駆的なハイエンドモデルHP1への現代的なオマージュであり、新たなデザインの方向性を告げる製品」だという。 新設計のダイナミックドライバーに加え、Gradoの歴史の中で初めて着脱可能なケーブル、快適なヘッドバンド・アセンブリを採用。これまで同様、ブルックリンの本社において手作業で組み上げられている。 52mm径のダイナミックドライバーは、ゼロから開発された全く新しいスピーカー設計を採用。ドライバーの特性を検討するにあたり、優れた高域の解像度、中域の滑らかさ、低域のエネルギーをいかに低歪みで生み出し、音楽的かつ調和的に正しいヴォイシングを実現できるかを目標に開発。 レアアース合金を使用した強力な高磁束磁気回路、軽量銅メッキアルミニウム製の新しいボイスコイルとともに、新しいペーパー・コンポジット・コーンも採用。新開発の磁気回路とボイスコイルが相まって、「優れたダイナミクスとトランジェント・レスポンス、非常に洗練された空間感、音場感および音像感を生み出す」という。 先代モデルのSignature HP1/2/3の伝統的なデザインを継承しながらも、モダンな印象を与えるハウジングは、特別に処理されたアルミニウムから一つ一つ丁寧かつ慎重に削り出したもの。表面に製品名を刻印し、スタイリッシュなスペースグレイ仕上げている。 着脱式ケーブルは、現在ステートメント・シリーズに採用されている12芯スーパーアニールケーブルに改善が加えたもので、よりソフトでありながら耐久性のある編組仕上げに設計、より柔軟性が向上し、ケーブル全体の重量が軽減されている。線材に加熱処理を施すことで、残留応力を除去し機械的ストレスを抑制。伝送時のストレスの低減による高純度伝送を可能にしている。 端子は入力側が6.3mmプラグ、ヘッドフォン側が4ピンミニXLRプラグ。将来的には、バランス接続に対応する4ピンXLR端子や4.4mmプラグ、長さの異なるケーブルなど、取り外し可能なケーブルオプションを追加する予定。デバイス側の端子やケーブルの長さなど、ユーザーのニーズに応じてケーブルを変更できる。 ヘッドバンドアセンブリも改良。長時間のリスニングでも快適に使用できるよう、従来のデザインよりもハッド内緩衝材を50%増量。牛革皮製のヘッドバンドとハウジングの高さを調節することが可能なロッドにより、リスニング時の疲労を最小限に抑える完璧なフィット感を追求。 Grado Labsの刻印入りジンバルはアルミニウム合金製で、ステンレススチール製のロッドが両者の接点の安定性を高めている。ロッドは亜鉛合金のエンドキャップが外れてもジャンクションブロックからスライドしないように設計。この機構により、ハウジングの回転は105度に制限され、磨耗や破損が少なくなっている。 イヤーパッドは、Ear Pad Gという最も大型のパッドを採用。Ear Pad Fも付属しており、異なるサイズのイヤーパッドを装着することで、音の変化が生まれ、ユーザーの好みや音楽のジャンルに応じて使い分けられる。 周波数特性は3.5Hz~51.5kHz、感度は117dB、全高調波歪 <0.1% @100dB。インピーダンスは38Ω。ケーブル含む重量は約620g。ケーブル長は約1.85。
AV Watch,山崎健太郎