「障害福祉で金儲けするな」誹謗中傷を乗り越え、オリジナルヘルプマークを手掛ける障がい児ママの思いに迫る
「障害福祉の世界」を教えてくれた娘
ー娘さんが自閉症、重度知的障害、一型糖尿病を抱えているとのことですが、娘さんからどのような影響を受けることがありましたか? 自分がまったく関わってこなかった、知らなかった「障害福祉の世界」を教えてくれたことが、私にとても大きな影響を与えたと思います。また、娘と共にたくさんの差別や偏見を受けて辛さ・痛みを知りましたが、その何倍もの優しさや思いやりも知ったので、自分を大切にするようにもなりました。その結果、他の人も大切にしたいと思えるようになったことも娘が影響していると思います。 ーハンドメイドショップではsonaさんのデザイン以外にも娘さんがデザインしたものも含まれていましたが、娘さんのデザインを商品にしようと思った理由を教えてください。 娘をはじめ、知的障がい者の方々のなかには、アート感覚やものづくりに優れ、才能が溢れている方も多く「障がい者アート」が少しずつ広がっています。健常者のアーティストさんと同じように評価され、見合った価格で売れる仕組みが日本でも広まればいいなと長く思っていました。そういう思いから、娘の才能も知ってもらいたく、販売を始めました。
大学入学のきっかけ
ーサイト内でsonaさん自身も「子ども心理学部に在籍する大学3年生」だとありますが、この学部を志望し、大学で学ぼうと思ったきっかけについて教えてください。 娘の障がいと病気についてSNSなどで独学していくなかで、障がい児・病児育児を行う保護者や当事者たちが、悩み苦しんでいることを知りました。そこから心理学に興味が強くなり、カウンセラーの民間資格を取りました。しかし、さらに資格が取りたい、学びたい、となると「大卒」や「実務経験」が取得条件であるものが多く、私は対象となりませんでした。それから4人の子どもの義務教育が終わったタイミングで、通信制大学に入学しました。学校の先生に憧れもあったので、「幼稚園教諭一種免許」と「認定心理士」の資格を取得できる、子ども心理学部を選びました。 ー大学を卒業した後、子ども心理学部で学んだことをどのような場面で生かしていきたいですか? ヨガや心理学を広めるために、2023年5月に「NPO法人ソナフル」も設立しました。また、今後の夢であるコミュニティモールのような建設をしたいので、そこで活かしていきたいです。たとえば、ヨガ×障がい福祉で健康面を、母子支援×教育で子育て面をサポートでき、職業体験×観光宿泊で世界中の自閉症さんに来てもらえるような場をつくれればと考えています。