オーバーツーリズム問題続出 秋の京都に外国人観光客殺到…歴史ある寺でトラブルも
■「京の台所」も激変
一方で、京都の“一住民”としては、インバウンドの増加を手放しで喜べない現実もあると言います。 岡崎さん 「(京都市内の)お店も“観光客相手のお土産屋さん”みたいになってしまって、地元の人たちが買いにいける所ではなくなってしまっている」 「京の台所」として地元住民に愛され、400年もの歴史を持つ錦市場は、外国人観光客が押し寄せています。 明治43年に創業し、京野菜を中心に野菜や果物を扱う店は、インバウンドの急増に合わせて“変化”を迫られています。 四寅 堀裕一さん 「昔はこの辺まで野菜、季節モノを置いていましたが、今はご覧のようにどんどん果物を。諸外国の方は日本の果物がおいしいことをご存じなので、果物を中心にやっておりますね」
■ホテル代も高騰 史上最高値
インバウンド需要の増加などを背景に、宿泊費の高騰も続いています。 京都市内主要ホテルの平均客室単価は1万8199円(2023年)と、コロナ前(2019年)の1万5610円を大きく上回り、統計開始以降、最高値となりました。 京都に住む娘に会いに来た母 「今はとてもやないけど高くて泊まれない。だから娘の所に泊まっています。(友達を)連れてきてあげたいと思うけど、ホテルがとりあえず高い。京都も変わりましたわ…」 なかには京都での宿泊をあきらめ、電車で40分ほど離れた大阪市などのビジネスホテルに宿泊するケースもあります。
■観光スポットで破壊騒動&無断撮影
先月、京都市内の観光スポットではこんなトラブルが起きました。 京都・東山にある岡林院は訪日客を中心に人気の観光スポットですが、先月、橋に架けられた欄干(らんかん)が何者かによって壊され、石柱が根本から倒され、上部が壊れるということがありました。 岡林院では、外国人観光客を連れた商業カメラマンによる敷地内での無断撮影が後を絶たず、最近では観光客のマナーも悪化しています。 高台寺 岡林院 青山公胤住職 「しょっちゅう表に立って見張るわけにはいかないので。まあでも、いたちごっこですね、正直。貼り紙をしてもはがされたりもしますし。どうしたらいいんですかね…」 住職の青山さんは警察に被害を相談しましたが、被害届は受理されませんでした。 青山住職 「(インバウンドで)潤っている人は潤っていると思うんです。それに伴って、普段生活している人たちに何かしわ寄せが来て、『嫌やな』と思っちゃうのは本当に残念かなと思いますね」
■市バス 通路ふさがれ住民乗れず
京都のオーバーツーリズムを巡って“大きな問題のひとつ”となっているのが、今年、京都市バスの車内の通路がスーツケースによって完全にふさがれている写真がSNSに投稿され、物議を醸しました。 写真を投稿した龍谷大学の井上学教授は次のように話します。 井上教授 「夜の便だが、車内がスーツケースでかなり占められていて、降りるのに時間がかかるし、乗るのにも時間がかかるという状況」 京都市民 「(外国人観光客に)来るなとは言えませんし、来ていただいて京都はすごく潤っているところもあるし。難しいところですね…」 (「グッド!モーニング」2024年10月13日放送分より)
テレビ朝日