「北欧、暮らしの道具店」のクラシコム、17期連続増収でも残業ほぼゼロの理由とは?鍵は「採用」「人事制度」「中間管理職支援」
「北欧、暮らしの道具店」を運営するクラシコムは、17期連続増収でも社員の“残業ほぼゼロ”を実現させている組織開発について公開、人事企画室が担当する3つの取り組みなどについて紹介した。
クラシコムは2006年の創業時から「残業を当たり前にしない働き方」を実践。17期連続増収を達成した2023年7月期においても、1人たりの1カ月の平均残業時間は3.7時間だった。現在、社員構成は約100人で平均年齢35歳。半数超のスタッフが小学生以下の子どもを抱えているという。近年は常時15~20%の社員が産育休を取得しながら、女性管理職の比率は64%と高水準を維持。男性の育休取得率は100%となっている。
クラシコムでは、男女を問わず多くのスタッフがライフステージの変化を伴いながらも柔軟に責任の範囲を広げ、フィットする働き方を模索。リモートワーク導入やDX推進など「健やかな働く環境」の整備、「健やかな組織開発」が不可欠とし、社長直下の人事企画室が採用から日々の組織運営までさまざまなことに取り組んでいる。具体的には、「採用」「人事制度」「中間管理職支援」の3つに注力する。
■ 採用 自社サービスを通して入念に双方の期待値をすり合わせ。ミスマッチが発生しないよう、日頃から顧客との関係作りを目的にスタッフの働く姿を「北欧、暮らしの道具店」で発信、サイト・アプリやSNSにて採用告知を行う。その結果として、クラシコムのユーザーであるスタッフが約8割を占めているという。「北欧、暮らしの道具店」ではテキストベースのスタッフインタビューや対談、働くスタッフのドキュメンタリー風動画などを発信している。 こうした取り組みが奏功し、採用倍率はどの職種も平均して100倍。2017年から2022年まで実施した複数の職種を一斉にキャリア採用する「定期採用」では、年2回実施で年間約1000人の応募が集まった。 2022年スタートの新卒採用は毎年300人ほどの母集団を形成。2023年から不定期となったキャリア採用では、求職者向けメールアドレス登録フォームを用意したところ、1年で2000人以上が登録した。 またエンジニアなどスキルを必要とする職種を中心に、外部の採用サイトも活用。入社後のギャップが生じないよう双方の期待値やカルチャーフィットのすり合わせを入念に行う。 ■ 人事制度