「北欧、暮らしの道具店」のクラシコム、17期連続増収でも残業ほぼゼロの理由とは?鍵は「採用」「人事制度」「中間管理職支援」
「キャリブレーション制度」という、期待値をすり合わせるという人事制度を導入した。クラシコムの人事制度は「人が人を評価するのは難しい」という前提に基づき、会社が個人を個別のKPI数値などで「評価」するのではなく、会社が個人へ期待する役割(ロール)を半年に一度「調整」することを基本とする。ロールに給与テーブルを紐づけ、ロール自体も半年に1回定義を見直し、全スタッフの配置をすり合わせる。
スタッフのロールは、期待する内容によって7種類に分類。半年に1回、パフォーマンス(+)とコスト(-)という2点で振り返りを実施、ロールを決める。各ロールに期待される内容・定義も固定せず半年ごとに見直しし、ロールと給与が連動しアップデートを続けていくのが特徴という。
流れとしては、半年に1回、2日間に渡り役員・マネージャー・人事企画室で「キャリブレーション会議」を実施し、全スタッフに期待するロールを見直し。1日目はロールの定義見直しで、2日目は各スタッフの半年の振り返りと、次の半年に期待するロールをすり合わせる。その後、管理職がスタッフに「フィードバック1on1」を実施。期待するロールを伝え、次の半年間のテーマや具体的な取り組みをすり合わせる。ロールに応じて、次の半年の給与が決まる。 ■ マネジメント支援 中間管理職のサポートも手厚い。「健やかな組織」には健やかなミドルマネジメントが不可欠とし、マネージャー層の思考・実行・振り返りをサポート。経営やマネージャー同士の信頼関係の創出も支援する。
具体的には合宿などといったコミュニケーションの場を設ける。キャリブレーション会議の2か月前には役員とマネージャーで集まり、丸1日実務を離れて「チーム」や「マネジメント」について考えるマネージャー合宿を実施。経営陣との価値観や方向性をすり合わせし、マネージャー層が自分自身について振り返る機会を作る。またマネージャー同士の信頼関係創出を人事がサポートする。
日常的に利用できるマネージャーと人事担当が入るSlackチャンネル、随時個別面談にて相談の機会を設けているほか、毎月「マネージャーお茶会」という気軽に話し合える場をオンラインで実施している。