畜産日報調査「令和6年能登半島地震」畜産・食肉業界でも被災状況の把握、支援の取組み相次ぐ
1日夕刻に発生した「令和6年能登半島地震」では、震源となった石川県能登地方をはじめ各地で甚大な被害をもたらした。畜産・食肉業界でも、各団体・企業で現地の情報収集や支援物資の提供、義援金の拠出を行っている。
全国食肉事業協同組合連合会によると、4日に新潟、富山、石川、福井の各支部にメールで状況を確認したところ、福井県肉連からは組合員の被害がなかったとの電話連絡が入ったという。ただ、石川県肉連では会員の状況が現時点で把握できず、全肉連では引続き各支部の状況把握に努めている。 全国肉牛事業協同組合(肉事協)では、石川県にある組合員(本社・群馬県)の関連農場が被災し、牛舎の床面や水道管が破損したという。賛助会員と連携し、4日には迂回ルートをたどりながら現地へ発電機を提供し、水の供給が可能になったという。5日には新潟県上越市の会員の関連農場も被災したことが判明している。肉事協では引続き各地の組合員・賛助会員、関連企業と連携して必要な支援を行っていく方針で、今後はとくに従業員向けの食料支援(コメなど、飲料水やカップ麺類以外の食料)をはじめ、配合飼料およびガソリンの供給、被災した牛舎からの牛の移動などが課題となってくるという。 石川県金沢食肉公社では、配水管の破損などが認められたという。5日午後現在、解体ラインの作動など、各所の担当者で被災・作動状況を確認しており、それらの報告を踏まえたうえで、今後の作業を検討したいという。 農水省が発表した農林水産関係の被害状況によると、5日午後4時 15分現在、畜産関係では、石川県の畜産農家で停電 18件・断水 47件、施設損壊 35件(損壊に伴う家畜被害1件)が確認されている。さらに、道路損傷による集乳不可などが 35件、県施設(農業試験場および畜産試験場)のガラス破損・堆肥舎の一部破損・一部地盤陥没、放牧場施設での一部破損、畜産センターで断水・停電・施設一部破損(能登町)が報告されている。 新潟県では、鶏舎の集卵配送ラインの破損等(復旧済み)、採卵鶏の飼料タンクの破損、共同利用施設、カントリーエレベーターでシャッターの破損など、富山県では、鶏舎の斜面崩落、洗卵選別施設横の崖崩れ、卵保管場所の地盤沈下、養豚舎周辺の地盤液状化、畜舎基礎部分の損傷が確認されている。