ナチス共通番号の悪夢…フランス哲学者「なぜ日本はマイナンバーと保険証を一体化?」G7で唯一!「個人の自由と権利の侵害」大反対の歴史
マイナンバーによって就活の合否が決まるかもしれないディストピアがもうすぐ近くまできている
こどもと接する仕事をする際に、性犯罪歴がないことを証明する制度「日本版DBS」の創設に向けたこども性暴力防止法案が5月23日、衆議院本会議で可決した。こども家庭庁は新たな情報照会システムを作るらしい。医療機関受診歴、薬剤の処方歴に加え、賞罰、学歴、資格、はたまたゲノム情報まですべてマイナンバーカードひとつで照会することができる未来も遠くないかもしれない。それらの情報を数値化し、国民を複数の優劣の等級に分類することも可能だ。 人工知能の技術的進歩とあいまって、受験生は志望動機書を書いたり調査書を申請したりしなくても、就活生はエントリーシートなど面倒な書類を書かなくても、マンナンバーカードを志望先機関のカードリーダーにかざせば、即座に合格か不合格かが決定される、なんていう時代もくるかもしれない。日本人は、こういうディストピアの到来の可能性にたいして、あまりにも楽天的である。 フランスの精神分析医・思想家のジャック・ラカン(Jacques Lacan)は、ヒトは、ことばを獲得すると同時に、象徴界(le symbolique。ことばや法や制度によって分節されている世界)に登記される、と言った。いまや、ヒトは、生まれると同時に、いや、胎児となった時点から〝情報化〟の世界に登記されている。 個人情報をつかさどる権力は、「迷い出た1匹の羊」を、そのかけがえのなさゆえにではなく、ただ登記すべき情報として、どこまでも追いかけていくだろう。
福田肇
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