ナチス共通番号の悪夢…フランス哲学者「なぜ日本はマイナンバーと保険証を一体化?」G7で唯一!「個人の自由と権利の侵害」大反対の歴史
ナチスドイツに対抗するために生まれた「フランスのマイナンバー」である社会保障番号…社会保険カードに記載される
フランスでは、軍人にして統計局職員ルネ・カルミル(René Carmille, 1886~1945)が、1941年、すなわちナチス支配下時代の3月から8月にかけて、過去65年間にフランスで生まれた何百万人もの人々に番号を提供するために、裁判所の登録簿に記載される出生証明書を参照、13ケタのコードを作成した。対独レジスタンス運動の兵士を徴用するためである。 現在のフランスの社会保障番号(numéro de sécurité sociale)は、基本的にルネ・カルミルのこのアイディアを踏襲している。フランスで生まれたフランス人については、出生届の提出先である市役所が、出生届を受理する際に15ケタの社会保障番号をあたえる。15ケタの数字それぞれに割り当てられている情報は次のとおりである。最初の1ケタは性別(男性が1、女性が2)、次の4桁は生年月日、次の2桁は県番号、次の3ケタは地方自治体番号、次の3ケタは同一地方自治体内における同年同月生まれの人の届出順番、最後の2ケタは行政上の確認キー番号である。この番号は一生変わらない。 社会保障番号は、ICチップを埋め込んだ社会保険カード(carte vitale)に記載されている。16歳未満のフランス人は、保護者のカードに付属するが、16歳以降のすべてのフランス人にこのカードは付与される(外国人長期滞在者も申告によって所有できる。交付までに時間はかかったが、私も取得した)。フランス人は、病院、薬局、臨床検査センター、レントゲンセンターなど、あらゆる医療機関を訪れるときはこれを携行することになっていて、医療費の払い戻し分は1週間以内に被保険者の口座に振り込まれる。
ところが、フランスでは国民IDカードと社会保険番号は紐付けされていない
さて、フランス人は、社会保険カードとはべつに、国民IDカード(carte nationale d’identité。10年ごとに更新)をもっている。社会保険カードに顔写真は添付されないが、国民IDカードには添付される。後者に15ケタの社会保障番号は記載されておらず、したがって紐付けもされていない。 さらに、それとはべつに、納税番号(numéro fiscale)なるものもフランスには存在する。納税の領域においては、納税番号と社会保障番号とを紐付けすることが認可されていて、税務署は個人の社会保障番号をINSEE (L’Institut National de la Statistique et des Études Économiques /フランス国立統計経済研究所)で照会する権利をもつ(ただし一件につき5サンチームの手数料がかかる)。 つまり、フランスでは、社会保障番号と納税番号は紐付けされているが、国民IDカードとは紐付けされていない、ということだ。
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