自分で考え行動できる子が持つ俯瞰力とは?家庭でできるコーチングを用いた伸ばし方も紹介
家庭でできる俯瞰力の高め方
俯瞰力は、家庭で高めていくことができます。「視点を変えて、全体像をとらえるといっても、子どもには難しいのでは?」と思われるかたもいらっしゃるかもしれませんが、心配無用です。コーチング的なアプローチを取り入れて、お子さまの俯瞰力の養成をサポートしていきましょう。関わり方のポイントは、次の3点です。 【教えるのではなく、質問をする】 お子さまが視点を変えて、一歩引いて考えられるような質問を投げかけることを意識するのがおすすめです。 ついつい「教えなきゃ」というレクチャーモードになってしまいますが、必要なのはレクチャーではなく質問。たとえば、お友達とのトラブルであれば「Aくん、そのときどんな気持ちになったのかな?」など、相手の立場を想像させるような問いかけができるといいですね。 保護者の質問をきっかけに考えることを繰り返すことで、自分でも視点を変えて考えるクセを付けていくことができるようになります。 【子どもの回答はジャッジせず、受容する】 保護者からの質問へのお子さまの回答は、なんのジャッジも加えずにそのまま受け止めてあげること(受容)がポイントです。否定するのは論外ですが、ほめたり感心したりする必要もありません。「ほめちゃだめなの?」と意外に思われるかもしれませんが、ほめることも「これはいいこと」という親の価値観が反映されたものです。親の期待する答えを言わなければ……と、お子さまが忖度(そんたく)するようになってしまいます。 大切なのは「そうだったんだね」とありのままをそのまま受容すること。ニュートラルに、ある意味、淡々と受け止めてあげてください。保護者の価値観を示さないことで、お子さまは自分の気持ちや考えにまっすぐ向き合うことができるようになるでしょう。
【すぐに解決できない場合は、時間をおいて仕切り直す】 保護者の質問にすぐに回答できない場合もあるでしょう。子どもは、言語化能力も発達途中。うまく言えないこと、すぐには気持ちを整理できないことがあるのが当たり前です。 「この時、Aくんはどう思ったのかな?」「よく考えてごらん。どう思ったと思う?」「ちゃんと考えた? どう思う?」と問い詰めていくのはNG。余計に何も考えられなくなってしまいます。「思いついたら教えてね」とおおらかに構えるくらいで大丈夫です。 時間を与えて寝かせることで、お子さまも状況を客観的にとらえられるようになるもの。考えも寝かせることで熟成することもあります。 もし、お子さまが状況を整理しづらそうにしていたら、人形やマスコットを使って整理していくことをおすすめします。とある学校の先生が実際にやられていていいな、と思ったのですが、言葉だけでなく、マスコットなどで視覚的に状況を図解できると、物理的にも一歩引いて見られて、思考を整理しやすいんですよね。 「このマスコットがあなたで、こちらの人形はAちゃん。Bちゃんはこれね」といった具合に話すと、一歩引いた視点でとらえられるはずです。