ハワイがサッカー界の「ラストマーケット」? プロスポーツがない超人気観光地が秘める無限の可能性
日本の2倍。物価高にどう対応しているのか?
――ハワイは物価が日本の約2倍と言われますし、観光客にとってもハードルが高くなっている部分があると思いますが、その面で苦労することはないですか? 中村:確かにそこは難しいところで、ビジネスでもいろんなものが高くなっています。物価が上がれば、商売として成立させるために値段を上げざるを得ないので、相手も高く払う必要があって、お互いにハッピーではないですね。だから、弊社のビジネスにおいても、今は日本以外のお客さんを増やさなければいけないと思っています。そのためには「日本の魅力を売れるようにしないといけない」と、いつも考えています。 スポーツビジネスはさまざまな構成要素を持つ産業で、日本でも世界的に発達しています。ただ、スポーツファイナンスとか、スポーツビジネス・ロー、スポーツソシオロジーなど他の分野がこれから伸びていくと思うので、同じ土俵で競合他社と争うよりは、新しいビジネスチャンスを日本で探し出していくことが大切だと思っています。 ――今後、この大会をどんなふうに発展させていきたいと思っていますか? 中村:長期的には2028年にプロの大会を復活させることが第一目標です。短期的には、デロイト トーマツ コンサルティングさんが「SROI(Social Return on Investment)」分析という手法を用いて社会的な価値を数値化しているので、その数値をより高くしたいですね。私たちはものを売っているわけではないので、今は赤字になる部分もありますが、「赤字だから失敗」というわけではなく、喜んでいる子どもや家族などへの波及効果があって価値が生まれます。そのように、スポーツの価値を明確に見える形にすることが大事だと思います。 今月開催する大会は日本からご参加いただくのも大歓迎です。ご家族がワイキキ観光をしている間に子どもたちを預けていただくような形でもいいですし、子どもたちの国際交流にもなると思います。参加費用は現地のクリニックよりは安く設定しています。子どもたちにとって単なる海外旅行ではない、特別な体験になると思います。ぜひ、日本からも参加してみてください。 <了>