米メディアは「マー君vs筒香」に無関心も13人連続斬り投球を絶賛「円熟の5イニング」「完全復活」「素晴らしい配球」
ヤンキースの田中将大(31)が7日(日本時間8日)、敵地のフロリダ州タンパのトロピカーナ・フィールドで行われたレイズ戦に今季2度目の先発マウンドに上がり、「6番・DH」でスタメン出場した筒香嘉智(28)と日米を通じて初対戦した。対決は2打席。第1打席は2球続けてフォーシームで押し込みファーストファウルフライ。2打席目は一転変化球で攻め、2球目のスプリットを捉えられたが、センターフライに打ち取り、メジャー7年目のマー君が“ルーキー”の筒香にわずか4球で“圧勝“した。 日本のファン注目の初対決だったが、米メディアは、ほぼ無関心。 取り上げていたのは、レイズの地元紙のタンパペイタイムズ紙くらいで、「田中対筒香は、日本で一大事」と小見出しを入れ、「レイズ外野手の筒香がキャリアで初めてもう一方の日本選手、ヤンキース先発の田中と対戦したが、うまくいかず2打数無安打だった」と伝えた。同紙は、「レイズを5イニングで1安打5奪三振に抑えた田中に苦戦したのは、筒香だけではなかった」とフォローした。 一方で辛口で知られるニューヨークメディアは、その日本人対決には触れず、0-1敗戦にもかかわらず勝ち負けのつかなかったマー君の投球内容を絶賛した。 初回二死から3番のヤンディ・ディアスにライト前ヒットを許したが、以降打者13人を連続アウト。ベンチが調整不足を懸念して球数制限を与えていたため59球でマウンドを降りたが、レイズ打線を5回無失点に封じ込めた。 ニューヨークポスト紙は「ヤンキースが完封負けで田中の支配的な投球を無駄にした」との見出しを取り、「金曜日の夜は完全な敗戦ではなかった。田中が先発ローテーションに苦しむヤンキースにとって必要な勢いをつける5イニング無失点の投球を披露した。まるで10月バージョン(ポストシーズン)のような内容だった」と絶賛した。 記事は「今季2度目の先発だった田中は素晴らしく、最後の13人を連続アウトに打ち取り、16人中15人からアウトを取った。59球のうち44球がストライクだった。彼は常に投手有利のカウントから5三振を奪い無四球1安打だった」と投球内容を紹介した。 さらに敵将・レイズのケビン・キャッシュ監督のこんな称賛コメントを掲載した。 「球場全体が彼が何をしようとしていたのかを理解できた。本当に良い投球だった。彼は誰に対しても変化球をストライクゾーンの低めのラインに制球できた。彼はボールとして見送るべきか、スイングすべきか、と(打者を悩ます)ギリギリのところに投げている」 この日のマー君は、最速93マイル(約149キロ)のフォーシームを高めの見せ球に使い、スライダー、スプリットをしっかりと低めにコントロールしてレイズ打線を寄せ付けなかった。