Yahoo!ニュースのコメントに「全国旅行支援は税金の無駄遣い」 専門家が解説
観光促進策「全国旅行支援」が10月11日から開始する。観光業界を中心に待望の声が多い一方、7月14日に政府が旅行支援の延期を決定したと報じるYahoo!ニュースの記事のコメント欄には「税金の無駄」「不平等の政策」とする声も目立った。こうした声をどう受け止めたらいいのか、旅行支援は富裕層への優遇政策なのか、地方経済に詳しい神戸国際大学の中村智彦教授に解説してもらった。
全国旅行支援の延期決定のニュースに寄せられたコメント2258件。このうち「旅行に行きたい人は行くから不要」という意見が217件と約1割を占め、富裕層への優遇ではという意見も散見していた。また、「税金の無駄遣い」という指摘が45件、「旅行支援がそもそも不公平」という声が30件に上った。
慎重な意見が多い
コロナ禍の当初からの観光業界への手厚い支援策に対しては、批判も少なくない。Yahoo!ニュース内の記事のコメント欄でもコメント欄に慎重な意見が多く見られる。その背景には、いくつかの理由があると考えられる。 まず、一つは政府の新型コロナ対策に対する考え方の違いだ。紀尾井町戦略研究所株式会社が8月12日に発表した「新型コロナ「第7波」に関する意識調査」(同月9日調査)によれば、新型コロナ「第7波」で新たな行動制限をしない政府方針について、それぞれ「どちらかといえば」を含め「支持する」48.5%、「支持しない」42.5%ときっ抗している。また、政府の新型コロナ対応について感染拡大防止と経済活動のどちらを重視すべきかという質問に対しても、それぞれ「どちらかといえば」を含め「感染拡大防止」46.8%、「経済活動」46.1%できっ抗している。 身近で感染者が「増えたと思う」人は、前回調査(2022年4月14日調査)の37.6%から64.7%と大幅増加。8月の夏休みやお盆休みに1泊以上の旅行を予定したりしていた人は14.6%に対し、予定がないと答えた人は78.6%と依然として旅行に消極的な人が多い。この調査からも判るように、旅行支援に対しても、時期尚早だと考える人が多いことが理解できる。