一人ひとりの肌と心に寄り添う存在に:アツギ株式会社の挑戦
ー大変な挑戦だったと思いますが、なかでもデザイン面で苦労した点はありますか。 前後表裏をなくすというのは、想像以上に大変でした。デザインの設計上はうまくいったとしても、着用してみるとどこか引っ張られてしまって、前後が違って見えるんですね。こればかりは試作品を何度も作ってみて、改良を重ねていくしかありませんでした。タグのデザインや位置も考慮し、また縫製も表裏で大きく変わらないような仕様にしています。
着心地という点では、縫製部分が肌に当たりにくいように仕上げてあります。
ー新たな挑戦だったと思いますが、社内の反応はいかがでしたか。 今までにない発想だったので好評でした。これまでの商品開発のなかでも、かなり期待が寄せられていると感じました。 特に「自由すぎるソックス」ですね。僕らはこれまでストッキングやタイツを作ってきて、かかとがないものは当たり前に作っていたのですが、それをソックスでやるという発想がありませんでした。だからこその反応だったのかもしれません。 試作品を社員に履いてもらいましたが、想像以上に気持ちよく、かかとがなくても全然気にならないねというフィードバックを得られました。 ー生地に使われているホホバオイルは素材の柔らかさを出すためだけでなく、環境にもよいと聞きました。 こちらは株式会社シモンドさんの理念に賛同して、僕らもホホバオイルを使わせてもらっています。ホホバは砂漠でも育つ植物で、株式会社シモンドさんがエジプトの砂漠地帯に苗木を植えて砂漠の緑化を推進されています。そこから精製されるホホバオイルを商品に利用することで、持続的な緑化活動をサポートしていく仕組みです。 ーいずれの商品も魅力的ですが、どのような客層が多いですか。 ポップアップを開催すると、30代以上の女性に足を運んでもらっていることが多いですね。僕らとしては、幅広いアイテムの展開を目指しているのですが、なかでも一番共感を得られるのが子育て世代です。朝の忙しい時間のなかで、お子さんが一人で身支度できると自信に繋がりますし、親としてもうれしいですよね。