第157回芥川賞受賞の沼田真佑氏が会見(全文1)部屋着のまんま来た感じ
日本文学振興会は19日夜、第157回芥川賞・直木賞(2017年上半期)受賞作を発表し、芥川賞には沼田真佑氏の「影裏(えいり)」、直木賞には佐藤正午氏の「月の満ち欠け」を選出した。 午後8時45分ごろから都内のホテルで受賞記者会見が行われた。長崎県佐世保市在住の佐藤氏は都内にいないため電話での会見となった。 候補作品には芥川龍之介賞が4作、直木三十五賞が5作がノミネート。午後5時から東京・築地の料亭で選考委員会が開かれていた。 各賞の候補作品は以下の通り。 【芥川賞候補作品】 ・今村夏子(いまむら・なつこ)「星の子」(小説トリッパー 春号) ・温又柔(おん・ゆうじゅう)「真ん中の子どもたち」(すばる 4月号) ・沼田真佑(ぬまた・しんすけ)「影裏(えいり)」(文學界 5月号) ・古川真人(ふるかわ・まこと)「四時過ぎの船」(新潮 6月号) 【直木賞候補作品】 ・木下昌輝(きのした・まさき)「敵の名は、宮本武蔵」(KADOKAWA) ・佐藤巖太郎(さとう・がんたろう)「会津執権の栄誉」(文藝春秋) ・佐藤正午(さとう・しょうご)「月の満ち欠け」(岩波書店) ・宮内悠介(みやうち・ゆうすけ)「あとは野となれ大和撫子」(KADOKAWA) ・柚木麻子(ゆずき・あさこ)「BUTTER」(新潮社)
今の気持ち、受賞の知らせを聞いた瞬間について
司会:それでは、沼田さま、受賞された今の気持ちをお願いいたします。 沼田:本当に光栄です。まだ1作しか書いてないんで、頑張ります。 司会:よろしいでしょうか。では、質疑応答に移りたいと思います。ご質問のある方は挙手をお願いします。では。 読売新聞:どうもおめでとうございます、読売新聞の〓ウカイ 00:00:55〓です。 沼田:どうもありがとうございます。 読売新聞:おめでとうございます。候補になったときには、初めて買った安いギターで、有名なライブハウスのステージに立ったような気分だっていうようなことをおっしゃってたようですけれども、実際、今度、取っちゃいましたけども、あらためて今度、ステージに立っただけじゃなくて、取ってしまったっていうことについての感想をもう一度。 沼田:やっぱり、1本しか書いてないっていうのがありますので、例えばジーパン1本しか持ってないのに、ベストジーニスト賞みたいなの(笑)。まあ、そういう。 読売新聞:受賞の知らせはどこで待って、聞いたときの瞬間の自分の思いっていうのを。 沼田:いや、本当にもう、編集者の方と、なんか飲むところで待ってたんですけど、本当にそのつもりなかったんで、本当に部屋着のまんま来た感じで。本当に、朝から着てるようなTシャツとかですいませんけども。本当に、うれしかったですね。 読売新聞:選考委員を代表して、高樹のぶ子さんが、強く、震災を中心にして、人間と自然の崩壊っていうものを非常にうまく表現してるっていうふうな高い評価がありました。一方で、大バトルになったようで、大反対だっていう意見もあって。この人は書いていけるっていうような、高樹さんと、いや、もう書いていけないんじゃないかっていう意見も出たようですが。 沼田:本当に。 読売新聞:ご自身、そういう、今、記者会見があったばかりなんですが、そういう選考委員の評価を、今、間接的にお伝えしただけなんですけど、どんな感想をお持ちでしょうか。 沼田:いや、もう本当に、どのような意見もそのとおりだとは思いますんで。あとでいろいろ精神的に来るでしょうけど、今は本当に、もうありがたいと思ってます。わざわざこんなもん読んでいただいて。 司会:質問のある方、どうぞ。マイク、〓サトウ 00:03:20〓さん、前の、女性の方。