ノボせもんなべさん“髪芸”で世界へ 福岡の38歳お笑い芸人がイギリスの人気番組で躍進 決勝逃すも「また道が開ける」
ピン芸人として…髪モノマネで勝負
芸歴を重ねるうちに仕事も増えてきたが、2020年に転機が訪れた。相方だったまーちんさんが、結婚を機に「芸人を辞めたい」と言ってきたという。 そしてなべさんは、ピン芸人として戦うため、これまで誰もしてこなかった髪モノマネ一本で勝負する決意をした。 元相方のまーちんさんは芸人を辞めた後、音楽の専門学校の職員となり、夢を追う若者たちのサポートしている。 取材班は、まーちんさんのもとを訪ねた。お笑いの世界からは離れたが、今でもステージを見ると自分が舞台に立っていた頃を思い出すと懐かしがるまーちんさんは、「ネタをやりたくなりますよ。いまだに夢とか見ますもん。お笑いを嫌いで辞めたわけではないので。お笑いは、世界一すてきな職業だと思っているので。なべとか先輩、後輩がお笑いをやっているのを見ると『いいな、楽しそうだな』と思います」と話す。 まーちんさんは、なべさんがイギリスから帰国してすぐ会いに行ったという。そこで、もらったものが、「ゴールデンブザー」のときの紙吹雪だった。なべさんは、イギリスのステージで降り注いだ金の紙吹雪をかつての相方のために何枚か持ち帰っていた。 まーちんさんは、ステージに上がったなべさんについて「かっこよかったですね。芸人の生きざまあるなって。マジで頑張ってほしいし、いろんな方から『相方はすごいね』と言われるので、本当にうれしい。僕も頑張らないとなと、刺激をもらっています」と語った。
「過去最高の笑いを」決戦の舞台へ
5月19日、なべさんは再び決戦の舞台イギリスへ向かった。「ブリテンズ・ゴット・タレント」の準決勝に挑むのだ。 なべさんは「(優勝賞金)4900万円、250万ポンド、やばいですね。一見コンプレックスという人もいると思うんですけど、『コンプレックスを武器にするのかは自分次第だよ』と伝えられたらいいですね」と語り、そして一言、「“ハゲ”みになります」と意欲を見せた。 唯一無二の武器を携えて、いよいよ日本時間の5月31日未明、準決勝を迎えた。 本番前、なべさんは「いよいよセミファイナル当日です。3000人のお客さんを笑いで盛り上げられるよう頑張っていきます」と意気込みを語った。 瞬時に人気キャラクターになりきるなど、この舞台のために用意した6つの新ネタで会場を沸かせたなべさん。 しかし、準決勝敗退となってしまった。なべさんは「お客さんはとても盛り上がって過去最高の笑いをいただいたので、『これはいくだろう』と思っていたんですけどね。悔しいですけど、後悔はないです。『またここから道が開けるんじゃないか』という気持ちで、より一層頑張りたいと思います」とコメントした。 惜しくもファイナル進出とはならなかったが、活躍の舞台を福岡から世界へと大きく広げたようだ。 (テレビ西日本)
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