広島・坂倉将吾 昨年は交流戦打率.340 攻守でチームに勝利を呼ぶ男/交流戦のキーマン
5月15日のヤクルト戦(松山)、今季34戦目にして、3度のスコアレスドローを含めて11度目の無得点試合となった。すでに昨季の13度に迫る勢いだ。打線全体の低調が最大の要因ではあるが、その中心にいるべき坂倉将吾の不振が深刻だった。 【選手データ】坂倉将吾 プロフィール・通算成績・試合速報 4月下旬から、新井貴浩監督から直接指導を受ける姿が目立った。4月16日の本拠地・DeNA戦で2号ソロを含む今季初猛打賞で打率2割3分台としたのをピークに打率1割台から抜け出せなかった。開幕戦を含む最多22試合で四番に座った堂林翔太は、27打席無安打という打撃不振で5月12日に二軍降格。坂倉について「一軍で復調を待つのか?」と問われた新井監督は「当たり前じゃないですか」と即答した。 指揮官が就任1年目の昨季から正捕手を託した男だ。残り100試合となった5月14日終了時点で、先発防御率は先発マスク11戦の會澤翼の1.87に対し、自身21戦で2.95と開きがあった。「(打撃不振は)リードのことで頭がいっぱいというのもあると思う。捕手が大変なのは重々承知しているし、そこは乗り越えていかないといけない部分だし、乗り越えられる選手」と言う指揮官にとっても辛抱、我慢の時間だ。 この男の復調なくして、優勝への道は開けてこない。18日の巨人戦(マツダ広島)で4安打。以降、8試合で12安打と打撃の状態は上がっている。28日から始まる交流戦は、チームにとって鬼門。昨季は2019年以来(20年は中止)続いていた最下位を逃れ、17年以来6年ぶりに勝率5割で乗り切ったとはいえ、勝ち越しなしは続く。坂倉自身、昨季は交流戦打率.340で打線を支えた。序盤の不振を取り返す時間は、たっぷり残されている。 写真=BBM
週刊ベースボール