DC制度の環境整備について中小企業向けに制度普及をはかる、「総合型DC」の創設に道筋
今回の議論では、2018年に制度ができたもののこれまで1件も利用されていない「簡易型DC」を一般の企業型DCに統合、そして、「iDeCo+」の対象企業を現状の従業員300人以下のまま留め置くものの、確定給付企業年金(DB)を実施している企業でも制度として導入を可能とする。また、現在は制度上明確化されていない「いわゆる総合型DC(複数の企業が相乗りするDC制度)」については法律の枠内で認める方向で話し合われた。
一方、DC制度の自動移管(転職等によってDC資産の移管手続きがなかった場合に、国民年金基金連合会に自動的に移管され、運用されないまま手数料だけが徴収される状態になる)の問題について、転職先にDC制度がある場合やiDeCo(個人型確定拠出年金)に加入している場合は、手続きなしで資産が移管できるようにしているものの、依然として100万人を超える自動移管者が存在することについて「一定金額以下(米国では1000ドル以下)であれば税制優遇の特典を外して課税の上で現金で払いだしてはどうか」という意見が出た。
今後、企業年金・個人年金部会では、年内に制度内容を示すとされているDC制度の掛け金や加入可能年齢の引き上げなどといった制度拡充について議論する予定だ。(イメージ写真提供:123RF)
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