結婚式の引き出物が誕生のきっかけ:イタリア発「Le Nom」が届けるパーソナライズされた世界に1つだけのバッグ
世界に1つだけ、あなただけのユニークなバッグを――。 そんな想いのもとイタリアで創設された、パーソナライズをコンセプトに置くバッグブランド「Le Nom(ル・ノム)」が、ヨーロッパの女性を虜にしている。 ブランドの物語の始まりは、アートディレクターを務めるダニエレ・コスタ(Danielle Costa)が親友の結婚式のゲストへの贈り物として、それぞれの名前のイニシャルを手縫いで飾ったストローバッグを制作したところから始まった。 SNSで想定外の大反響を呼び、2019年秋冬シーズンに本格的にビジネスとしてスタート。 創設者のコスタはクリエーションに専念するためアートディレクターに就任し、創設当初にブランドに加入した、当時24歳だったフィリッポ・フォルチオーニ(Filippo Folcioni)が最高経営責任者としてブランドを率いている。 コロナ禍でのビジネス成長や店舗オープンの転換期、そして期待される日本での展開まで、過去5年の歩みと将来の展望について聞いた。
結婚式のプレゼントから生まれたブランド
ーブランド創設のきっかけについて教えてください。 「Le Nom」は、2019年6月のサン・トロペでの結婚式をきっかけに誕生しました。 私は花嫁の友人であるダニエレ・コスタ(現在のブランドのアートディレクター)に、式のゲストにパーソナライズされた使い勝手の良いストローバッグをプレゼントしたいと相談し、趣味でバッグや服作りに情熱を傾けていたダニエレは喜んで引き受けてくれたんです。 当時のダニエレはプロのデザイナーではなかったとはいえ、彼女が作ったバッグにゲストは感激し、インスタグラムに投稿されると、知人の間だけでなく多くの人からも反響を呼んだのです。 そこで、2019年秋冬コレクションで本格的にブランドを始動しました。きっかけとなったストローバッグにアレンジを加え、“Bucket”としてオンラインでの販売が始まりました。このスタイルは、今日ではブランドのシグネチャーとしてもっとも認識されています。