新海誠「天気の子」を思い出す、社会から追い詰められた少年少女のサバイバルADV『Re:VER PROJECT -TOKYO-』。まさかの東映アニメーションが企画した「残酷な現実社会での物語」【東京ゲームダンジョン6】
さらに警察に追われることで「操作進行度」というパラメータも。これは警官とすれ違ったり、一般市民がいぶかしむ行動を取ると上昇していき、逮捕される可能性が増えていくのです。
しかし生き残るためにゴミ箱を漁り、腐り始めたハンバーガーを食わなくてはならない状況です。市民たちから「ゴミあさっている……」と冷たい目線を浴びながらも食べ物を漁る瞬間は、かなり苦く惨めな気持ちにさせられるます。
再生の物語
この東京では「落ちた人間は2度と浮上することはできない」と言われています。それが本当の罪であろうとなかろうと。一度異端者の烙印を押されて社会的に排除されてしまえば人生終了です。そんな厳しい大都会東京にあっても2人はそれを乗り越えようと立ち上がります。2人が辿り着くのは天国か地獄か。プレイヤーだけが2人の行く末を見守ることができます。
Steamストアページでの説明は、上記の通り。このようなリアリズムで作られているとのことで、本当に無私で助けてくれる人がまったく出てこないんです。
少年がなんとかギリギリで、裏で少女の病気を助けてもらえる薬を持っているというダイナーにたどり着くも、その店の店員は「薬が欲しかったら街をめぐってゲームハードを直したものを持ってこい。東京ではなんでもタダで手に入るものはない」という風に突き放してきます。なんとか要求したものを持ってきたら、なんと何も言わずに薬を床に投げ捨てて渡してくる……という、すさまじい対応をしてくるんですよ。
なんとか少女を命の危機から助けた少年ですが、彼にもどうやら謎があるようです。「生存術に長けすぎている」と少女に怪しまれ、どうも少年の過去にも何かがありそうなのです。このように都市部でホームレスとなった少年と少女がサバイバルするゲームプレイから、謎に満ちたシナリオを用意しているんですが、いずれにせよ殺伐とした現代を体感させるのは確かなのです。
凄惨な現代を描くゲームを、なぜ東映アニメーションがやろうとするのか
そんな酷薄な現実を映すゲームを、なぜ東映アニメーションがやろうとしたのでしょうか。現在、アニプレックスなどアニメーション関係の会社がインディーゲームに進出する動きが見受けられますけど、『RPGタイム!~ライトの伝説~』のような明るめな作品に関わることが少なくないです。今回はブース取材を通して東映アニメーションのプロデューサーにインタビューし、本企画の背景をうかがいました。
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