床田が小川が武田が……セパ4試合で投手守備失態が勝敗左右する珍現象?!
これが令和の時代の野球では寂しい。セ、パのプロ野球は10日、6試合行われたが、そのうち4試合でピッチャーの守備でのミスが勝敗を左右するという珍しい現象が起きた。ピッチャーは9人目の野手と呼ばれる。自分で、自分の足を引っ張るどころかチームの足まで引っ張ってしまっては……ファンもガッカリの大失態である。 東京ドームで行われた巨人―ヤクルト戦では4回まで5-0でリードしていたヤクルトが逆転され7-19の大敗を喫した。先発の“ライアン”小川は4回に4連打を浴び5-2とされ、なお一死満塁で代打・阿部を迎えた。阿部のドンづまりのピッチャーゴロをグラブを伸ばして捕球したところまでは良かったが、回転して投げるカタチになり慌ててホームへ悪送球。ボールがバックネットまで転がる間に2者が還り1点差とされ、その後、坂本に同点タイムリーを打たれて追いつかれた。 マツダスタジアムで行われた広島―横浜DeNA戦でも床田のエラーが勝敗を分けた。0-1で迎えた4回二死満塁。打者・今永の三塁側に転がったボテボテのゴロを処理した床田は、振り向きざまに一塁へスローしたが、これがワンバウンドになる悪送球。2者が還って0-3とリードを広げられた。記録は内野安打と床田のエラー。今永を調子に乗せることにもなって敗戦につながってしまったのである。 セのピッチャー失態のもう1試合は甲子園で行われた阪神―中日戦であった。マルテの2ランで2-2の同点とされ、なお2回二死一塁の場面で近本の大きなバウンドのゴロを処理した先発・又吉の一塁への送球がそれたのである。近本の足の速さに慌てたのだろう。記録は内野安打となったが、事実上のエラー。ピンチが広がり、糸原に勝ち越しタイムリーを許し、この回、一気に5失点。2-5とゲームをひっくり返された。 パでも1試合あった。ヤフオクドームで行われたソフトバンクーロッテ戦でソフトバンク先発・武田が2回一死一、三塁で荻野のピッチャーゴロをグラブに当てながらうまく捕球することができずにショート前へ弾き、これがタイムリー内野安打となったのである。荻野の打球は強烈で記録はヒットとなったが、プロならば捕らねばならない打球だった。0-2とされ、さらに続く鈴木にもタイムリーを許し、武田は、結局、8失点して4回途中でマウンドを降りることになった。あそこで一つファインプレーをしていれば自らを助け、リズムを作ることができていたのかもしれない。結局、ソフトバンクも大敗した。 昭和一桁生まれ。巨人で名ショートとして活躍。引退後は、ヤクルト、西武の監督として時代を作り、ロッテのGMとしてメジャー式の球団マネジメントに挑戦したこともある広岡達朗氏は、こういう令和の時代の野球へ警鐘を鳴らす。