床田が小川が武田が……セパ4試合で投手守備失態が勝敗左右する珍現象?!
「ハッキリ言って今の野球のスタイルはつまらない。野球が下手になっている。エラーの数がいったいいくらあるのか。エラーで試合の趨勢が決まってしまう野球はプロ野球ではない。ピッチャーの守備にしてもそうだ。9人目の野手という昔からの言葉があるではないか。先人が残した野球の教訓。守りの綻びは、基本が徹底されていない証拠だろう。教える側にも問題がある。守備の基本練習は地道な作業だが、コーチが根気強く、毎日、そういう練習を積み重ねさせなければならない。たとえば、投内連携はキャンプのときだけやっておけばいいというものではない。投手に対して基本を教えるノックができる投手コーチが今のプロ野球でどれだけいるのだろう」 いずれの送球ミスも慌てたことで送球方向へのステップや方向を定める左肩の位置などがバラバラになっていた。武田の捕球ミスも投球後の準備が足りなかった。守備の基礎が不足していたと指摘されても仕方がない。 さらに広岡氏は広島など不振のチームの要因に守備の綻びがあると指摘する。 「広島の低迷は守備の綻びだ。広島、阪神、楽天は天然芝だが、ほとんどの球場が人工芝となり打球処理が、そう難しくなくなったことが、逆に基礎技術を高める作業を怠ることにつながっているのではないか」 パで最下位のオリックスのチーム失策数「24」はリーグ最多。セでワースト「33」の失策数がある広島もなかなか浮上のきっかけがつかめないでいる。 守りのミスがドラマを生むのは高校野球の世界。プロ野球のドラマがエラー絡みではやはり寂しい。令和の時代の日本のプロ野球の流れは、メジャーの野球を真似るようなデータ野球、パワー野球へ進むのかもしれないが、広岡氏が指摘するように基礎の部分を疎かにすると、野球が面白くなくなり、何よりチームが勝てなくなる。 (文責・駒沢悟/スポーツライター)