<咲き誇れ!センバツ広陵>鋭い「声」スタンドの要 チーム一丸、応援練習に熱 /広島
センバツで4度目の優勝を目指す広陵。勝利に欠かせないのが、スタンドから鼓舞する応援団だ。中心となる約80人の野球部員はおよそ1週間前から応援練習を本格化。出場メンバーに選ばれなかった悔しさを超え、チーム一丸で戦う準備を進める。【武市智菜実】 【写真で見る歓喜の瞬間】歴代のセンバツ覇者たち 応援団は吉村心翔選手(3年)を団長に、踊りでスタンドを率いる演技▽太鼓▽声出し▽歌詞やセリフをボードで示すカット――の4グループで構成。連夜、太鼓のリズムに合わせて応援歌を歌い、腕を振り、余念なく練習に励んでいる。 吉村団長は昨秋の県大会に出たが、センバツメンバーには選ばれなかった。悔しかったが、その分、応援でチームに貢献するつもりだ。「大人数の強みを生かし、声で威嚇して流れを引き寄せたい」 演技担当の石沢慧悟選手(2年)は「全員で動きを合わせ、キレッキレの力強い演技をしたい。『栄光の甲子園 広陵 日本一』という歌詞とリズムに気持ちを乗せ、全力で表現する」と力強い。 太鼓担当の岸田賢治選手(3年)は今春、投手から学生コーチに転向。14日に阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)であった出場メンバーの練習にも参加し、マウンドから3球投げ込んだ。仲間の拍手や声援に胸がいっぱいになった。「広々としたグラウンドに立つと、自然と体に力が入り、感じたことのない緊張感があった」。メンバーにもらった声援を本番で返すつもりだ。 声出し担当の木原和也選手(同)は甲子園練習で、ランナー役として守備練習に参加。二塁上から初めて見るグラウンドの景色に息をのんだ。出場メンバーが夢の舞台で全力プレーできるよう、「スタンドの全員で息を合わせて盛り上げたい」と目を輝かせた。 ◇恥じぬプレーを 応援団の頑張りに、出場メンバーも気持ちを高める。内野手の沢田光選手(同)は「九回まで休まずに声を出し続けてくれるみんなの分まで頑張る。中途半端なプレーは絶対にしない」と誓った。 初戦は21日予定の第2試合で、相手校は高知。グラウンド、ベンチ、スタンド一丸となった全員野球で臨む。