第91回選抜高校野球 勝利の裏に打撃投手 一球一球に思い託し 杉山隆玄さん(3年) /千葉
<センバツ高校野球> 第91回選抜高校野球大会で初戦突破した習志野は26日、兵庫県西宮市内の球場で打撃練習などに励んだ。24日の日章学園(宮崎)戦で大量点を奪い、小林徹監督は試合後に「打撃投手に感謝しないといけない」と語った。昨秋の県大会で背番号1を背負いながらベンチ入りを逃した右腕、杉山隆玄さん(3年)は打撃投手としてチームに同行し、ナインを支えている。 【熱闘センバツ全31試合の写真特集】 178センチ、83キロで最速139キロの直球が武器。昨秋の県大会決勝の中央学院戦で先発した。「自分が試合を作る」とマウンドに登ったが、初の大舞台に過去にない緊張感に襲われた。満足に腕が振れず、3回6失点で降板。関東大会はベンチを外れた。 冬はベンチ入りメンバーの練習中にひたすら走った。「頑張ればベンチに入れるかもしれない」。気づけば体重が70キロ台まで落ちることもあった。板橋洋部長は「冬に一番手を抜かずに頑張っていた」と評価する。 打撃投手として甲子園入り。日章学園の主戦対策として、フリー打撃で投球を続けた。小林監督は「冬までになかった良い投球を見せている」。センバツ後はベンチ入りを争うライバルだが、杉山さんは「今は自分の投げる球を練習にして、勝ち上がってほしい」と思いを託した。【秋丸生帆】