高齢の親といずれ同居すべき? 伊藤比呂美さんのアドバイス「独居のほうが…」
Q 50歳前に楽しみなく無気力
50歳を前に日々の楽しみを見つけるのが難しくなってきました。比呂美さんには無気力な時期はありましたか。それをどう乗り越えましたか。 (40代女性)
A いずれ真っ青な空が広がる
40代は更年期を見据える時期なんですね。あたしは55歳で更年期を迎えたころ、目の前に真っ青な空が広がっていたんです。それまでの空は曇っていて、あれがほしい、あれがしたいという欲望がつまった雲がいっぱいあった。その雲を作っていたのはホルモンで、それがなくなったら人生はすっきりさわやかでした。 日々の楽しみを見つけるのが難しいのはあなたの目が曇っているだけなんですよ。 更年期になるとわれわれは恥という概念をかなぐり捨てることができる。世の中の不平不満を吸い取ることもできます。おばさんといって嫌がられるのは、言いたいことを言うから。 今後は日々の楽しみが増えていく。そこから大切になっていくのが女友達。若い頃は結婚する人、しない人、子どもを産む人、産まない人、産めない人、いろんな女がいて行く先が違うから話が合わない。子どもが生まれると女同士に起きるのは競馬の馬主的な考え。持ち馬がどこまでいくか、そっちにかける。更年期を迎えると、自分は自分みたいな感じで話せるようになります。 これからわれわれを待っているのは介護。介護はどんな女たちでも皆同じだと感じさせる。なぜかというと、全員が誰かの娘だからなんです。介護で再度集まる女たちが多いですから、楽しみにしていてください。
Q 不登校の息子を受け入れられない
高校生の息子が不登校となり、昼夜逆転した生活を送っています。自分は厳格な父親に育てられたので、息子の状態を受け入れられません。 (50代男性)
A いいところ少しずつ褒めて
息子にはいらいらするでしょうけど、なんとかいいところをさがして褒める。褒めたときに、もし息子が驚くようなら、そんな親子関係を作ってきたのはあなたです。本来親は子と同じところまで目線を下げて、子どもと同じものを見て、それからものを考える。それが基本です。 不登校になって通信制の学校に通っていますね。これはすばらしいことなんですよ。不登校になって通信制に行けなくて引きこもっている子、のたうちまわっている子をあたしはどれだけ知っているか。 この子は自分でも悩んでいるはず。そういう子は少しでも承認欲求を満たしてあげる。少しでもいいから褒めてやる。それが親からだったらものすごく効くんです。地道に少しずつやると、素晴らしい効果を生みます。 そしてもう一つあなたがやらなければならないことは、妻と仲良くすること。一緒に出かけるとか、そばにいるとか。妻子に迎合するように生きてみる。 あなたが男らしく育てられた、これが問題なんです。それを知るために男女共同参画センターの男性向け講座に行ってみてください。