同期がフリーランスへ転身し「完全在宅」で仕事をしています。フリーランスになると家賃や光熱費を「経費計上できるメリット」があるそうですが、支払う税金の総額はどちらが多いですか?
所得から所得控除をしたのが課税所得金額
各所得の合計額から所得控除(所得から一定の金額を差し引くこと)をして求められるのが、課税所得金額です。所得税と住民税の計算には、課税所得金額に所得税・住民税のそれぞれの税率を掛けて、そこからさらに税額控除(課税所得金額から一定の金額を差し引くこと)をして、税額を求めます。
会社員とフリーランスで、税金の違いに大きく影響するのが必要経費
これまで解説してきたように、会社員とフリーランスでは、所得について「給与所得」と「事業所得」という違いがあり、収入が同程度の場合、税金の計算上で大きな違いを生み出すのが「必要経費」になるでしょう。 会社員は給与収入に対して、一定額が仮の必要経費(給与所得控除額)として控除される一方、フリーランスの場合、必要経費として認められる範囲が広いため、経費を多く計上することが可能です。特に、自宅を作業場として利用しているフリーランスで、家事按分の経費計上をしている場合などは、経費もより多く計上できます。 一般的には、会社員に比べてフリーランスのほうが経費を多く計上でき、また青色申告特別控除を受けることにより、課税所得金額を低く抑えられる傾向があります。その結果、支払う所得税や住民税が減少する可能性があります。
まとめ
経費を多く計上できるフリーランスより、給与収入に対して一定額の給与所得控除しか利用できない会社員のほうが、支払う税金は多い可能性があります。 ただし、フリーランスは社会保険料の自己負担が会社員より増える場合があるため、社会保険料と税金の総額では、どちらが有利かは一概にいえず、個々の状況によるでしょう。 出典 国税庁 No.2508 給与所得となるもの 国税庁 No.1300 所得の区分のあらまし 国税庁 No.1410 給与所得控除 国税庁 No.1415 給与所得者の特定支出控除 国税庁 No.2210 やさしい必要経費の知識 国税庁 No.2072 青色申告特別控除 執筆者:小山英斗 CFP(日本FP協会認定会員)
ファイナンシャルフィールド編集部