意外! 5~6月は「熱中症になりやすい体」になっている。やりがち「誤った水分補給」の盲点にとは?【医師が解説】
暑くなってきたらカフェインやアルコール摂取は熱中症のリスクあり!
ところで、熱中症リスクが高まる時期になると、水分補給が欠かせません。けれど、「普段からコーヒーをよく飲むから大丈夫」と考えていませんか? 実はカフェインは利尿作用があるため、水分補給にはおすすめできない飲料だと谷口先生は述べています。ただし、カフェインは慣れやすく、普段からコーヒーや紅茶を飲み慣れている方なら気にしなくても良いとのことでした。 できれば、水分補給の際の水分は、白湯かカフェインの含まれていない麦茶などが最適なのだそう。 またアルコールも同様に利尿作用があるので要注意。 特に夏に野外でバーベキューを行う際などは、ビールなどのアルコールがつきものですよね。実は真夏のバーベキューは熱中症になりやすいのだとか。谷口先生は次のように話します。 「真夏のバーベキューはお酒を飲むことが多く、利尿作用から脱水症になりやすくなります。さらに日光を直接浴びる時間が長いことで、熱中症リスクも上がります。予防するには、お酒を飲む前に少しお腹を満たしておくこと、お酒だけでなく食事もきちんと食べること、お通しや酒の肴も大事なのです、お酒以外の飲み物で水分補給をすること、日陰や室内など、涼しい環境で休憩できる場所を確保することを心がけましょう。 むずかしいかもしれませんが、熱中症指数が高い日はお酒を控えるのがベストです。お酒を飲むのであれば涼しい環境に移動してからにするなどするのもよいでしょう」 ここまでの前編記事では2つの水分補給の盲点について伺いました。 ▶つづきとなる【後編】の『【医師が解説】熱中症予防、正しい水の飲み方とは? この時期に、自宅のエアコンで確認しておきたいこと』では、効率的に水分摂取をするために知っておきたいこと等について、お伺いします。 【取材協力】 谷口 英喜先生 医師。済生会横浜市東部病院 患者支援センター長/周術期支援センター長/栄養部部長 麻酔・集中治療、経口補水療法、体液管理、臨床栄養、周術期体液・栄養管理のエキスパート。日本麻酔学会指導医、日本集中治療医学会専門医、日本救急医学会専門医、TNT-Dメディカルアドバイザー。1991年、福島県立医科大学医学部卒業。学位論文は「経口補水療法を応用した術前体液管理に関する研究」。2024年5月に新刊『熱中症からいのちを守る』(評言社)が刊行。その他の著書『いのちを守る水分補給~熱中症・脱水症はこうして防ぐ』(評言社)など。
ライター 野村昌美