【箱根駅伝】駒大 王座奪還へ吹く逆風と追い風…エース・佐藤圭汰「インパクトのある走りを」
【次の100年へ――歴史をつなぐ有力校たち(4)】エース不在がもたらした効果とは――。第101回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)の注目校を5回に分けて紹介する短期連載の第4回は、常勝軍団の駒大をピックアップ。王座奪還に向けて、チーム内の〝やる気〟は最高潮に達している。 巻き返しの準備は整った。大黒柱・佐藤圭汰(3年)を欠いて挑んだ出雲駅伝、全日本大学駅伝はともに2位。2冠に輝いた国学院大に屈したが、藤田敦史監督は「『どうするんだ』という話の中で、圭汰なしでも戦おうという気持ちが部員の中から出てきた」とチーム内の変化を指摘。個々の意識が向上したことで「圭汰が加わったら、もっと高いレベルのレースができる」と手応えを口にした。 指揮官が期待を寄せる佐藤は、昨年10月中旬から練習を再開。3区を任された前回大会は首位でタスキを受けたものの、青学大の太田蒼生(当時3年)に競り負け、チームも連覇を逃した。「ハイペースでペースをつくれることが自分の強み。恥骨をケガして出雲、全日本と走ることができなかった。今までの悔しさを晴らす走りをしたいと思っている」とリベンジを誓った。 今季のチームは大八木弘明総監督が「(今季は)選手層が(一昨季の)3冠の時、昨季よりもまだ薄いところがある」と明かすように、懸念材料を抱えている。それでも佐藤は「駅伝メンバーにどんどん新しい選手が絡んでいる。メンバーに絡めることによって、それぞれの選手のモチベーションもアップしていて、それがすごい相乗効果になっている」とプラスにとらえている。 目標はもちろん2年ぶり9度目の総合優勝だ。佐藤は「箱根駅伝では絶対にインパクトのある走りをしたい」。現状では補欠登録だが、当日変更での起用が有力。エースの激走で仲間たちに刺激を与えることはできるか。
中西崇太