「部下が辞めない上司」は面接で何を見ている? 定着する人材を見極める「2つの質問」
【質問2】
上司と部下の関係性に対する認識である組織内位置認識を確かめるには、次のように質問してみてください。 【質問例】 過去に上司から納得できなかった指示はありましたか? 「ありました」と求職者が答えたら、「それはどのような内容でしたか」と掘り下げます。 「こんな作業を頼まれましたが、その意味が納得できなかったので断りました」や「やりがいが感じられなかったので、正直にやりたくないと伝えたものの、理解してもらえませんでした」といった主旨の回答だと、組織内位置認識がゆがんでいると見れます。 素直に従わないこと自体が問題とは言えません。話す内容が重要です。「現在○○の状況なのでこの方法でやるのはいかがでしょうか?」と上司に事実情報を上げて、判断を仰いでいたのであれば問題ありません。
採用の「決め手」にしてはいけない要素とは
このほか、面接時の注意点を挙げておくと、「何となくやる気がありそう」といった印象で採用を決めないことです。「何でもチャレンジします」とやる気に引かれて採用した社員に新しい仕事を任せようとしたら、「それは経験がなくできません」と言われてあぜんとした、なんて話は枚挙に暇がないからです。 大企業だと、「華麗な経歴」に惑わされないことが大事でしょう。たとえば、「一部上場企業で部長を務め、10億円の売上を達成した」という立派な経歴を持つ人が応募してきたとしても、結果だけを見て採用してはいけません。実際は、その人の周囲の優秀な人材のおかげかもしれないからです。 10億円を売り上げた背景にはどんな課題があり、その課題にどうアプローチをしたか。あるいはどのようなマネジメントをして、部下がどう動いたのか。売り上げの因果関係を論理的に説明できるか確かめてください。 どれだけ入念に準備をし、丁寧に面接を行っても失敗は避けられません。経歴や実績をはじめ、面接時に話した内容が実は嘘だったというケースはあります。 人間である以上、嘘を見抜けないのはある程度仕方がないです。運が悪かったと考え、気にせず前を向きましょう。
執筆:識学 シニアコンサルタント 城間 弘二