特別な宝印 授与 本宮大社で八咫烏神事、和歌山県田辺市
和歌山県田辺市本宮町の世界遺産・熊野本宮大社で7日、県指定無形民俗文化財の「八咫烏(やたがらす)神事」が営まれた。宝印押し初めの神事で、この日だけしか授与されない特別な宝印を求め、県内外から約200人が参列した。 【八咫烏神事の動画はこちら】 宝印は神門前に飾った門松で作っており、普段は「熊野牛王神符(くまのごおうしんぷ)」に押して使う。八咫烏神事の際には参列者が持つ白い和紙に押してもらうことができ「白玉牛王(しらたまごおう)」と呼ばれている。 この日は日没後に神事が始まり、神職が火と水で熊野牛王神符を清めた後、暗闇の中で「えーい」と声を上げながら3回、拝殿の柱に宝印を押した。その後、参列者が手のひらに構えた和紙にも、同様に「えーい」と気合を込めて宝印を押していった。 福岡県から訪れた会社経営者男性(58)は「参列は今回で5回目ぐらい。昨年一年を無事に過ごせたことへのお礼と、今年もよろしくお願いしますという気持ち」と笑顔。九鬼家隆宮司(68)は「皆さんが平穏無事で、今年の良いスタートを切っていただきたい」と話していた。
紀伊民報