12月に増える詐欺被害 未然に防ぐ方法を防犯アドバイザーが解説
12月に増える犯罪のひとつが詐欺です。慌ただしい師走は隙が生まれやすく、対応を急いで被害者になる場合も。オレオレ詐欺や還付金詐欺、リフォーム詐欺など、中高年を狙う手口は数多くあります。「自分だけは騙されない」と思いがちですが、どのようなことに注意すれば良いのでしょうか。そこで、防犯アドバイザーの京師美佳さんに話を伺いました。 【写真】「すぐに取り組めますね」 警視庁が伝授する持ち歩ける防犯対策グッズ ◇ ◇ ◇
増える特殊詐欺被害
警察庁によると、特殊詐欺の認知件数は、2023年に直近10年間で最多となっています。9月中旬には、東京都に住む60代女性が秋田県へ帰省中、1億4000万円も騙し取られる被害も。 家族を装ったオレオレ詐欺だけでなく、公的機関や金融機関を装って電話をかけてくるケースも多いので、知らない番号からの電話には十分な警戒が必要です。 京師さんによると、総務省や内閣府を名乗り、国勢調査を装って、家族構成や在宅時間、世帯年収や資産状況などを聞く電話がかかってくることもあるそう。「本物かどうか見分けるのは難しいので、答えない・知らない番号には出ないほうが安全です」と話します。 「詐欺対策電話機の使用や、留守番電話設定にしておき、相手がわかってから出るようにしてください。また、営業電話などにはかけ直さないようにしましょう」
リフォーム詐欺にも注意を
また近年、甚大な被害をもたらす自然災害が各地で起きており、災害に便乗したリフォーム詐欺が横行。被災地以外でも発生しています。 「犯罪グループに、裕福な家のリストが出回っていると聞きます。被害に遭いやすいのは、すぐに出てきて話をしてくれる人。優しい人が狙われやすいですね。『ご近所で工事をするので、ごあいさつに来ました。無料で修理しますので、屋根を点検させてください』と言って、その後に不安を煽り、法外な価格の契約をさせることがよくあります」 世間話をしながら、家族構成や支払い能力を聞き出してくるそう。名刺を持っていなかったり、会社名を聞いても答えなかったりする場合は、疑ったほうが良いでしょう。架空の社名を伝えてくる場合もあるので、どのような会社なのか調べることも大切です。 「不審な車が低速で近所を回っていたら、下見に来ている可能性が高いです。とくに、他府県ナンバーの車やレンタカーがそうした動きをしている場合は注意してください。また、“テンプラナンバー”と呼ばれる、前と後ろのナンバープレートが異なる車を見かけたら、警察へすぐに通報しましょう。緊急の場合は110番、下見かもしれないなど、緊急ではないけれど相談したい場合は#9110です」