“元加害者”「自覚がなかった」…深刻化するカスハラに企業等も対策 背景に『客は神様』の顧客第一主義
そして弁護士とも相談し、法的根拠に基づいた録音や退去の求め方などをマニュアル化した。 名張市の担当者: 「来庁を断ることはできませんし、業務に必要ないことに関して対応ができないということについてもマニュアルの中でお示しして『そういうことをお伝えしてもいいんだ』ということを職員に周知をさせていただく」 カスハラ対策はさまざまな現場で進められていて、厚生労働省も企業に対応マニュアルの策定や、従業員の保護などを義務付ける法律の整備を検討している。
■“元加害者”の娘「父は成長した」…カスハラなくす「尊重する社会へ」
以前、カスハラ行為を繰り返していた鈴木さんは、かつて「一緒に食事行きたくない」といわれた娘たちとカフェを訪れた。 この日も代金の決済をめぐり、店員が質問に答えられない場面があったが、鈴木さんは責めることなく、落ち着いた言動に終始した。
鈴木さん: 「さっきレジのところみられていたと思うんですけど、『iDいけますか?』ワタワタワタ…みたいになっていたじゃないですか。ああいうとき多分(強く)言っていたと思うんですよ」 カウンセリングの成果があったのか、カスハラ気質だった鈴木さんの姿はなかった。娘たちも、父親の変化を感じていた。 鈴木さんの娘: 「(かつての父は)怖いから面倒くさくて。『あんま行きたくない、父さんとご飯に』って思っていました。成長したなって思います(笑)」
鈴木さん: 「自分の言動とか行動を一度振り返ってみる。やっぱり相手の気持ちですとか、そういったことを考えると、もうちょっと一歩踏みとどまったりですとか、できるんじゃないかなって感じますね」 「顧客第一主義」から「お互いを尊重する社会」へ。カスハラ被害のない世の中に向け、動き始めている。 2024年10月4日放送