続く新監督のパワハラ余波…J1アビスパ福岡は辛子明太子「ふくや」のスポンサー撤退をどう受け止めたのか?
「詳細なやり取りについては、取締役会での活発な議論を担保するうえで控えさせてください。ただ、クラブのバジェットとコンプライアンスの観点で、執行メンバーが責任を全うすると説明し、取締役会として(金監督就任の)承認をいただきました」 川原社長が指摘した、福岡の基本理念との相違に関してはどのように考えているのか。18年間にわたるふくやのスポンサー契約終了に「大変残念な思いでいます」と初めて言及した川森会長は、問題や懸念が解消されたときには契約を再開したいとnoteに記した川原社長へ、そしてファン・サポーターへ、金監督に率いられる今シーズンの福岡の軌跡を通じて明確な答えを示したいとこう語った。 「ふくや様をはじめ、SNSもそうですし、いろいろなご意見は真摯に受け止めます。それぞれの受け止め方や考え方がありますので、いい悪いに関してコメントは差し控えます。そのなかで私どもの基本理念は何ら変わっていないと、今シーズンを通じて感じ取っていただき、ふくや様ともまたいつの日か一緒にスポンサーという形で一緒に歩んでいけるときが早くくるように、しっかりとクラブを運営していきます」 サガン」鳥栖U-18(当時)の高校生たちも対象になった数々のパワハラ行為に対して、日本サッカー協会(JFA)は金氏が保持していた最上位のS級ライセンスを、ひとつ下のA級ジェネラルに降級させる前例のない厳罰を2022年3月に科した。 さらにJFAが定める各種研修や社会奉仕活動に参加した金氏は、2023シーズンからFC町田ゼルビアのヘッドコーチに就任。青森山田高から転身した黒田剛監督(54)を戦術面でサポートし、同シーズンのJ2優勝と悲願のJ1昇格、そしてまだ記憶に新しい昨シーズンのJ1リーグ3位への躍進を共有してきた。 その過程でS級ライセンスを再取得した金氏は、こんな言葉も残している。 「1日や2日で変わるものではないと思いながら、町田でも、その前も取り組んできました。その点に関しては、これからもまったく変わりません」 変わるものではない、としたのは、パワハラ歴に対する厳しい視線にほかならない。初練習や新体制発表にかけつけたファン・サポーターから温かく迎え入れられ、選手たちも約1時間半の初練習ではつらつとした動きを見せた1月6日を皮切りに、騒動がいつ再燃するかわからないリスクと背中合わせの戦いが幕を開けた。 (文責・藤江直人/スポーツライター)
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