「サビを落とせば新たな野望が!」潮風に当たったエイプをメンテ&カスタム!━━2【プロカメラマンの作業記録】
「サンダンス」さんのスーパーXR最初期型!あのカッコ良さを……
そのほんの数日後の夕方には、やっぱりエンジンもこの際だから落としちゃえ…! ものの数分で、軽くジャッキで保持したエンジンがフレームから外され、単体となりました。 引っ込みがつかない状況に自らをたたき落としてしまう悪癖は健在のようで、エンジンまで落としてしまうなら、次はホイールや前後足周りも総分解しないとダメでしょう。当然フレームも再度やり直して全面塗装ということに。「藪へび音頭」が頭の中にリフレインしています。 そんな民謡など実在はしません。勝手に作った曲です。 ってことはどうでもよく、実は頭に浮かんだ構想は昔、ハーレーのカスタムショップ「サンダンス」さんが高輪にあったころにあまりにも強烈に印象に残っていたバイクが記憶の深淵から蘇ったからなのですよ! はい。代表の柴崎さんの手掛けた、あのスーパーXR最初期型。エイプと似ても似つかないのは分かり切ってますが、ああいうカッコ良さを加味できたらなぁと無謀にも考えたんですね。 ちなみに、今のスーパーXRはものすごく洗練された速さとスタイリングを持ち合わせてますが、初期型は実に獰猛なシロモノで、パンチ力抜群の強烈なダッシュ力の割に車体や前後サスが当時はまだそれに見合ってはいなかった。ワイルド過ぎるヤベー(面白い)マシンだったのです。 ちょうどエイプをバラし始めたころにインタビュー取材で久しぶりに再会した柴崎さんらと笑いながら話していて、あらためて店内見学したのも発想の発端かも知れません。 “デイトナウェポン”や“ゴールデンボール”とともに、“アレ”を思い出してしまったのですから。 ■もうエンジンを下ろす気満々になって、冷静に各部を観察。クラッチワイヤーの支持兼スペーサーがここにあるのを組み立て時に忘れないようメモ撮り。 ■さて、クランクケース固定のボルトを抜いて行きますよ。エンジンの自重でボルトのネジ山を傷めないようにジャッキで軽くエンジンを浮かせます。 ■軽いエンジンですが、ボルト類を慎重に外し、無事に降ろせました。 ■やっぱりね、こういう部分をきれいにしたかったんですよ。 ■エイジ君の記憶から、キタコの88ccボアアップキットが組んであって2種登録のエンジン。バルブ周りの整備はヘッドを開けてやっておくべきでしょうね! ■だんだん夜も更けてきますが、フレーム後部だけ軽くポリッシャーと手作業で サビを落としておきます。あぁ、どうにも止まらない…… ■アップライトなポジションと軽快なフレームです。ちょうどこの頃にレース系の名人のインタビュー取材が多く、ホンダの朝霞研究所やコレクションホールにも出向いて撮影。日々刺激を受けまくった時期でした。 ■本文で触れた、サンダンスの誇る現行スーパーXR。オーダーによって仕様は変わるようですが、こちらが基本形と思われます。素晴らしい車両です。