「毎朝1杯」のコーヒーが飲めなくなるかもしれない…じつは深刻な「コーヒーの2050年問題」をご存じですか
香り豊かですっきりとした味
育てているのはアラビカ種のティピカ。といってもコーヒーベルトで栽培されているティピカとは、若干品質が異なるそうだ。 「東京農業大学の先生が品種改良した、低温でも栽培が可能で、従来よりも収量が2~3倍のティピカを育ています」 当初3棟のビニールハウスからスタート。現在24棟で約2,400本のティピカを育てている。成木なら1本の木から1~2キログラムの生豆が穫れるという。 「2023年1月に初めて収穫しましたが、まだ成木でなかったこともあり、わずかな量しか穫れませんでした」 農園に隣接するカフェ「やまこうコーヒー農園」では、国産ティピカを1杯2,000円で提供している。ブラジル産ティピカを使ったブレンド(450円)もあるが、大半の人が国産を頼む。国産ティピカには香りがあり、すっきりした味で飲みやすいと評価する人が多いという。 「コーヒーメーカー各社の社長も飲んでくださり、『収量が増えたらぜひ扱わせてほしい』といわれています」
ジャパン・コーヒー・プロジェクト
やまこうファームでは、コーヒー農園の経営を推奨している。題して「ジャパン・コーヒー・プロジェクト」。やまこうファームが育てたティピカの苗木を購入し、コーヒー栽培をひろめるプロジェクトだ。山本さんによれば、同プロジェクトに賛同する企業が新規事業としてコーヒー農園に着手するケースが増えているという。2024年7月現在、東北、関東、中部、関西、中国、四国、九州にある計35もの農園がコーヒー栽培をスタートさせた。 そのひとつが、千葉県八千代市にある。柳沢昭次さんが営む「YACHI★FORNIA-FARM」(ヤチフォルニアファーム)だ。建築業が本業の柳沢さんが、なぜコーヒー農園をはじめたのか。 「面白そうだったし、夢があると思い、2023年3月からコーヒーを栽培しています」 現在2棟のビニールハウスで約1,400本のティピカを育てている。2025年1月に初めて収穫する予定だというのだが、既にティピカの生豆を販売していた。