「毎朝1杯」のコーヒーが飲めなくなるかもしれない…じつは深刻な「コーヒーの2050年問題」をご存じですか
栽培地や品種にも関心を
2022年には新部門「コーヒーの未来部」も新設した。コーヒーの2050年問題に対応すべく各部門の社員からなる、部門間横断の組織だ。広報チームの田口さん、エチオピアの現況を報告した有永さんと藤井さんも同部のメンバー。持続可能なコーヒーの生産をめざし、コーヒーの明るい未来を築くための活動を続けている。 コーヒー好きは、2050年問題とどう向き合えばいいのだろう。 「コーヒーが抱える問題を知っていただき、コーヒーが栽培されている場所や、品種ごとの味わいの違い、その楽しみ方にも興味を持ってほしいと思っています」(田口さん) コーヒーに関心を持ってもらいつつ、楽しんでもらおうと新シリーズ「コーヒーの未来部」をリリース。その第一弾として2022年11月に「メキシコ ティピカ」と「グァテマラ ブルボン」を発売した。共にアラビカ種の原種といわれるシングルオリジンコーヒーだ。 2023年4月に第二弾の「ブラジル アララ」と「コロンビア カスティージョ」を販売。同年5月に第三弾の「タンザニア SL28」を発売した。いずれも数量限定で既に販売終了しているが、今後も同シリーズを継続していく意向だ。
日本の「コーヒー農園」
2050年問題もあり、コーヒーベルト圏外でコーヒー農園が少しずつ増えてきた国がある。日本だ。そのひとつ「やまこうファーム」では、2009年から岡山市内のビニールハウスでコーヒーの木を栽培している。つまり、2050年問題が提唱される6年前にコーヒー栽培に着手していた。 「コーヒーメーカーの方から『先見の眼がある』といわれますが、まったくの偶然です」と苦笑いするのは、やまこうファームの取締役会長の山本耕祐さん。コーヒーの消費量が多いのに国産コーヒーの生産量はわずか数%。沖縄や小笠原で栽培しているという話を耳にするが、飲んだことがある人はごくわずか。 「コーヒー農園の経営は、ビジネスとして面白いと思いスタートしました」