高校サッカー注目の次世代ヒーロー候補5人
■岩崎悠人 [FW/京都・京都橘3年/170cm、67kg] 50mを6秒1で走破するスピードだけでなく、トップスピードに乗ったまま左右の両足から鋭く、かつ正確なシュートを放つ。高校ナンバーワンストライカーの称号を得た岩崎悠人は、彦根市立中央中学の2年生までは高校サッカーに興味がなかった。 Jクラブのユースを志望していたときに、テレビ画面の向こう側で躍動する京都橘の姿に大きな感銘を受ける。準優勝した第91回大会の大躍進に憧れ、京都橘に集った世代を引っ張るキャプテンとして、PK戦の末に鵬翔(宮崎)に敗れ、涙を流した先輩たちを越える戦いに挑む。 日本が来年5月に韓国で開催されるU‐20ワールドカップへの出場権を獲得し、さらには初優勝を勝ち取った10月のAFC・U‐19アジア選手権。ひとつ年下の世代から抜擢された岩崎は3ゴールをあげて、チームの快進撃に貢献している。 鹿島アントラーズやFC東京をはじめとするJ1の6クラブ、J2の2クラブだけでなく、ドイツのクラブまでもが興味を示す争奪戦のなかで、あえてJ2の京都サンガを選んだ。「地元でお世話になった人に恩返しがしたい」という理由が、律儀で真面目な性格をも物語っている。 運命のいたずらか、31日の1回戦(フクダ電子アリーナ)では市立船橋と激突する。杉岡とU‐19日本代表の盟友でもある原輝綺が城壁を築く相手の最終ラインを「ぶち抜く」と豪語する岩崎が、屈指の好カードを制するための案内人となる。 (文責・藤江直人/スポーツライター)