失敗しても再チャレンジできる ハワイの私立小学校お受験事情 日本人ママが“落とし穴”と感じたこととは
何度も入試のチャンスがある一方で…入学後も成績や素行に注意が必要
ちなみに、私が驚いた日本とハワイのお受験で大きく異なることは……。 1. 多くのトップ私立校が、小学4年に上がる外部生に対して編入試験を実施していること 2. キンダーガーデンの試験で不合格でも、成績上位者から順番にウェイトリストに入ることができて、空きが出れば再試験を受けられること 日本の常識から考えると、何度もチャンスを与えてくれる良い制度だと思われるかもしれません。でも、これには“私立校の落とし穴”ともいえる事情が隠されています。 アメリカ人は良い条件の仕事を見つけて即転職、別の州に引っ越す家庭が珍しくありません。そのため、日本の私立校と比べると空きが出やすい傾向があります。 しかし、理由はそれだけではありません。子どもの成績が悪かったり素行が悪かったりすると、“肩叩き”のような圧力が加わり、退学に追いやられるそうです。そこで欠員を補充するために、小学4年生の入学前に入学試験を実施したり、不合格でもウェイトリストに入ることができたりするのでしょう。
実は中学受験への意識も高いハワイ 決定権は親に
ロコ男が通う公立小には、小学2、3年になると、近所の私立校から転校してくる生徒がいます。その私立校はトップ校ではありませんが、勉強面でとても厳しいと耳にしました。 そして、中学受験が熱いのは日本だけでなく、ハワイも。ロコ男は公立小学校に通っているので、私の周りは公立小ママが多いのですが、3年生ぐらいになると「中学校どうする?」という会話が増えます。 ハワイの小学校は基本的に5年生が最終学年です。残された2~3年で、学校見学や情報収集をして公立中に進むのか、私立中に進むのか。子どもの意志に関係なく親がジャッジするケースがほとんどでしょう。 というのも、日本の中学受験は子どもの努力が大きいのに対し、ハワイは親の経済力がものをいう世界なので、学校選びに関しては親が決定権を持ちます。トップエリート校に子どもを入れたい一心で、コネクション作りや寄付金などに尽力する人も少なくありません。 ハワイの学校教育と聞くと、ゆるそうなイメージがあるかもしれませんが、日本とさほど変わらない受験戦争が勃発しているのが、悲しいかな、ハワイの現実です。 ※1ドル=約153円(11月11日現在)