8割の中小企業経営者が「2025年の崖」を認識せず…来年以降に迫る“経済損失12兆円”の危機【経営者アンケート】
8割の経営者が「2025年の崖」を理解していない現実
今回のアンケートで「『2025年の崖』が来年に迫っていることを知っているか」と聞いたところ、「知っている」と答えた経営者は19%にとどまった。最も多かったのは「知らない」で56.5%、次に多かったのは「聞いたことはあるが、詳しく知らない」で24.5%だった。「知らない」「詳しく知らない」を合計すると81%に達し、大半の経営者がこの分野について知識不足であることが浮き彫りになった。 「社内で利用しているシステムの老朽化や複雑化への不安はあるか」との質問に対しては「ある」が39.5%にとどまり、「ない」が60.5%に達した。多くの中小企業経営者が、ITシステムの老朽化への危機感が乏しい可能性が高い。 アンケートで「システムの老朽化に対応できる人材が社内にいるか」と聞いたところ、「いない」との回答が64.5%にのぼり、「いる」は35.5%にとどまった。 「IT人材の採用の予定はあるか」との質問に対しては「ない」との回答が63%に達した。「ある」は12.5%、「検討している」が24.5%にとどまり、多くの中小企業の経営者がIT関連の人材不足やシステム更新などに対応できていないことが分かった。 「2025年の崖」が迫る中で、多くの中小企業がシステムの老朽化や人材不足への対応に遅れていることが懸念される。対応が進まなければ、企業の成長が妨げられるだけでなく、国全体の生産性や競争力の低下にも繋がるリスクがある。将来的な損失を避けるためにも、今からでもIT人材の確保や基幹システムの更新計画に着手することが、企業の持続的な発展にとって重要だ。
田中 志穂