“思い出の一着”に新たな命…洋裁歴50年の職人の技 亡き父のコートをリメイク、35年前のモーニングも復活『every.気になる!』
「よそではやれないものを直そう」と、どんな依頼も断らない洋服修理店が東京・目黒区にあります。亡き父の愛用したコートや35年前の礼服の再生など、さまざまな依頼が舞い込みます。家族をつなぐ思い出の一着をよみがえらせる、職人の仕事に密着しました。 【動画を見る】“お直し”でよみがえる!洋服も思い出も… 「どんな依頼も断らない」職人の技 東京・自由が丘
■舞い込む依頼は年間1500着ほど
東京・目黒区に、どんな依頼も断らないという洋服修理の専門店「ファッションリフォーム&リメイク ミモレ」があります。舞い込む依頼は年間1500着ほどです。たとえ裏地がボロボロになったジャケットでも、きれいに直します。 50代の女性が、10年間愛用しているというダッフルコートを引き取りに来ました。ボタンの留め具部分がボロボロになってしまい、縫い変えてもらいました。このコートの修理費は1万2500円でした(費用は服の状態によって変わります)。 女性 「きれいに出来上がっています! 冬にむかってよく着るので、とても助かります!」
■客の相談に乗りながらお直しを提案
東京・自由が丘駅から徒歩5分。26年目を迎えた店では冬物の修理依頼が増え、繁忙期を迎えていました。店主の駒井美智子さん(73)は、客の相談に乗りながらお直しを提案します。 50代の客 「ファスナーかボタンに変えられない?」 駒井さん 「ミシン入れてもいいと思うわ」 50代女性 「ミシン入れてファスナーをつける?」 駒井さん 「そうそうそうそう」 洋裁歴50年以上の職人の元には、さまざまな修理依頼が日々舞い込みます。
■思い出の一着、直してまでなぜ?
都内に住む太田さん(74)は「自分のモーニングのウエストが入らないので…」と、35年前にオーダーメイドで仕立てたというスラックスを持ってきました。当時、お祝い事の時には必ず着ていた思い出の一着です。直してまではきたい理由は何なのでしょうか。 太田さん 「娘が結婚式をするので。これが最後の俺のモーニングかなと」 社交ダンサーの二女(30代)が来年1月に結婚式を挙げるため、思い出のモーニングで門出を祝いたいそうです。計測すると、広げるウエストは11cmでした。「タックで出せるから11cm出せます」と駒井さん。布が折り返してある部分を広げるといいます。 駒井さんはメジャーでサイズを確認すると、迷いなくハサミを入れていきます。「これだけ(広がりが)出ましたね」。1cm単位で調整し、ウエストが11cm広がりました。スラックスの修理費は9800円でした(費用は服の状態によって変わります)。