”絶滅危惧”船「ホーバークラフト」、16年ぶりに定期航路が復活へ!その進化を徹底検証。静音化や大幅値下げ実現も、残された課題とは
ただ、漫然と「世界で2カ所だけです!」と言ってホーバークラフトを運航しているだけでは、経済効果は得られない。「観光資源としてどういった需要があるのか、見学以外ではどんな体験ができるのか」「“乗らずに見るだけ数分滞在”に終わらせないためにはどうすれば良いか」といった部分を考え抜いたうえで、対外的にPRするのは大分県の仕事であろう。今のところ、「復活させてみた」以上のビジョンが見えてこないのが気がかりだ。
いずれにせよ、もうGOサインを出して事業費を投入しており、後戻りはできない。16年ぶりの復活となるホーバークラフトが、事業としての「空港輸送」「観光周遊」で採算ラインを確保し、大分県は予算を投入しただけの経済効果を得られるのか。まずは、来年の定期航路の出足に注目したい。
宮武 和多哉 :ライター