「種類が多すぎて分からない」高校生に伝える「自分にぴったりの参考書」の選び方
勉強に欠かせない参考書。「種類が多すぎて、どれを買えばいいか分からない」と悩む高校生は多いはずだ。そこで「授業についていけない」「受験対策をしたい」など、悩みや目的に合った選び方を、参考書に詳しい塾講師の綿引和巳さんに聞いた。(木和田志乃)
買うタイミングを把握
―そもそも、参考書は高校生自身が「どのような状態になったとき」に購入するとよいでしょうか。 まずは「学校指定の教材が難しいと感じるとき」です。学校指定の参考書や問題集は、基本的にその学校における成績上位層に合わせて選ばれています。なので上位層以外の生徒にとっては難しすぎたり、理解できなかったりします。 他には、「定期テストの1週間前には必要な問題演習を終わらせ、余裕持って定期テストに臨めたとき」もよいタイミングです。テスト対策でジタバタしなくなったら受験を意識した参考書選びをするとよいでしょう。
解けそうな問題が3~5割のものを選ぶ
―書店では志望大学別、難易度別など、いろいろな参考書を手に取って比べられますよね。選び方のコツはありますか? 書店での本の並べ方は科目別、難易度別、志望大学別、出版社別など独自のルールがあります。大手予備校が出版しているものは別の棚に置かれていることが多いです。どこに何があるか分かるためには、足しげく通った方がいいと思います。 例えば、定期テストの後に書店に行って参考書をめくり、定期テストの出題範囲を見てみて、解けそうな問題が3割から半分ぐらいのものが載っているものが自分で勉強するにはよいでしょう。半分以上解けそうなら、もう少し難しいものを探してみてもいいかもしれません。 最近は読むばかりではなく、章末にチェックテストがあり、理解度を自分で把握できるような作りになっている参考書が増えています。アウトプットがあるものは集中しやすいです。
「薄い参考書」は達成感が得られやすい
―薄い参考書と分厚い参考書、どちらを使えばいいのでしょうか。 最近では入試まで1冊の参考書で済ませるのではなく、目的に応じて薄い参考書を使い分けるのが一般的です。薄い方が達成感が得られやすく、繰り返し取り組むことができるので学習内容が定着しやすくなります。 逆に分厚い参考書を使う場合は、できるだけ簡単なものを選んでください。難しい問題が載っていないと不安になりますが、分厚い参考書の目的は、「このタイプの問題にはこの解法」といった解法暗記です。理解に時間をかけすぎずに、難しい問題はより応用的な別の問題集を解くようにするのがいいですね。