石破茂首相、衆院解散を言及で批判殺到「大っ嫌い」と公言した因縁の“兄弟子”との行方
10月1日、第102代内閣総理大臣が誕生した。総理となったのは石破茂氏。 しかし、総理就任前に衆議院の解散に言及したことが、問題視されている。 【写真】“新・ファーストレディ”石破佳子さんのお手ふりショット
自分の発言を忘れている
「石破さんは総裁選で“国民の判断を厳粛に受けなければいけない。そのために判断してもらう材料を提供するのは政府の責任”と語ったうえで“世界情勢がどうなるかわからないのに、すぐ解散をしますという言い方を私はしません”とも語りました。にもかかわらず、自民党総裁に就任した直後、会見で“10月27日に総選挙を行いたい”と、解散時期について言及。自分が言ったことを忘れてしまったのでしょうか……」(テレビ局政治部記者、以下同) 発言の変節が問題視されただけでなく、まだ総理でもない人間が解散について言及するのは“国会軽視”との批判も噴出した。 「石破さんとしては、新内閣の考えを国民に示したうえで11月の解散を考えていたようですが、党要職に起用した菅義偉氏や小泉進次郎氏、さらに森山裕氏までもが早期解散を主張したことで折れたよう。石破さんが党内人事を打診しても断る議員が多数出るなど、党内不和の火種はくすぶったまま。 人事を見ると、安倍晋三元首相を崇拝する“安倍派”の色を消そうとしており、反発する議員も少なくない。仮に総選挙で議席を減らせば、求心力を失い、政権運営の継続は難しくなる。国民の自民党に対する不信感は強く、政権交代の可能性も。やっと就いた総理の座を手放す可能性は十分にあります」 政権発足も、いばらの道を歩むことになった石破首相。目前に迫った総選挙に照準を合わせるが、そこに“強敵”が立ちはだかる。
石破茂が大嫌いだと語る人物
「それこそ石破さんが“大っ嫌いだ”と語る、小沢一郎さんです。今度の選挙は、田中角栄元首相の弟子2人の対決でもある」(政治ジャーナリスト、以下同) 9月に行われた立憲民主党の代表選では、野田佳彦元首相が選出された。野田元首相は、小沢氏を党ナンバー2にあたる要職に起用する。 「小沢さんといえば、1990年代に自民党を政権から引きずり下ろし、連立政権を樹立した立役者。まさに“改革者”として剛腕を振るった存在です。立憲の代表選の裏では“小沢詣で”が行われており、今回の総選挙で中心的な人物と目されています。野党の協力体制を築き、再び政権交代を狙っていますよ。立憲が与党になれば、小沢さんが再び権力の中枢へ返り咲く」 小沢氏といえば、2009年には党の代表代行として選挙対策を一手に担い、民主党の政権交代を実現。その政治家としての歩みには、田中元首相の影響が色濃い。 「小沢さんは、1969年に父親の後を継いで出馬、初当選を果たす。田中元首相は、小沢さんを息子のように可愛がっていた。小沢さんは田中元首相を“オヤジ”と慕い、力をつけていくのです」 一方、石破首相は、 「石破さんの父親で鳥取県知事であった二朗さんは、田中元首相の盟友でもあった。二朗さんが他界後、石破さんは田中元首相から父親の後を継いで政治家になるよう説得されたのです。ただ、出馬する選挙区には田中派の現職議員がいたため、“里子”に出された中曽根派から1986年に出馬して当選。国会議員としてスタートします」