娘の同性婚に反対した父親、結婚式への参列を拒否……花嫁の兄弟が父親代理を務める動画に「複雑」海外SNSで議論勃発
毎年6月はプライド月間。LGBTQ+コミュニティを祝福し、その権利について啓発を促すイベントやパレードが世界各国で行われる。多様なジェンダーやセクシュアリティの包摂が強く叫ばれるなか、マイノリティであることを理由に社会的にネガティブな経験をしたり、家族と疎遠になってしまったりする人も……。SNS上では、ある同性カップルの結婚式で起きた出来事をめぐり議論が巻き起こっている。
アメリカ・サンフランシスコ在住の同性カップル、シン&テッサ。シンは中国系アメリカ人、テッサはメキシコ人で、ふたりの生活を発信するカップルTikTokアカウントが人気を集めている。メキシコシティで結婚式を挙げたふたりは、その様子を動画にして投稿。シンによると「義父(テッサの父親)はとても信心深く、私たちの結婚式に出席してくれなかった」「テッサは打ちのめされていたけれど、それを表に出さないようにしていた」という。
海外では、花嫁とその父親による“父娘のダンス”をプログラムに盛り込む結婚式が多いけれど、残念ながら肝心の父親は不在。するとテッサの兄と弟が歩み出て、リハーサルなしの“きょうだいのダンス”を披露! この動画は350万回以上再生され、「すばらしい愛」「素敵な結婚式」と称賛の声が殺到。なかには「私も同性婚を家族に認めてもらえなかった」「LGBTQ+コミュニティの一員として、親に結婚を祝福してもらえないのはあまりにも辛い」と、大切な人に自分の選択を認めてもらえない悲しみを共有するコメントも寄せられた。
LGBTQ+コミュニティに対する無知や無理解、それによる差別や偏見を撲滅するため、個人や組織などさまざまな単位でステレオタイプな価値観をアップデートする姿勢が求められている。パンデミック後の新しい日常が定着化してきた今こそ、人と人、家族と家族のつながりを改めて見直し、どんなジェンダー、セクシュアリティでも「心地いい」と感じられる社会の実現を目指したい。