琉球ゴールデンキングスの戦術の幅を広げるアレックス・カークのさらなる伸びしろ「ベンチスタートにはまだ適応しているところ」
「今はベンチからチームにエナジーをもたらすことにフォーカスしています」
カーク本人もコンディションの良さに自信を見せているが、まだ本領発揮とは言えない模様だ。「ベンチから出ることについて、僕が歳をとったことでよりアジャストするのは難しくなっているかもしれないです」とカークは語る。 「今はベンチから出て、チームにエナジーをもたらすことにフォーカスしています。キャリアのほとんどを先発でプレーしていました。昨シーズンとアルバルク東京の最後のシーズンの2年間はベンチスタートですが、それでも慣れるのは大変です。これは大きなアジャストです」 さらに続ける。「例えば後半、最初にコートに入るのが第3クォーターの8分が経過した後だったりします。これは難しいことです。それでもしっかりとプレーするためにすぐエナジーを出すための準備を大切にしていますが、まだ適応しているところです」 この2試合は、名古屋Dの今村佳太、琉球の伊藤達哉にとって昨シーズンまで所属していた古巣対決となり、コート上で元チームメートとの再会を楽しむ姿が多く見られた。カークはA東京での在籍初期の同僚だった名古屋Dの齋藤拓実との再会に笑顔を見せていた。 「彼(齋藤)のことをとてもリスペクトしています。最初の2年間、彼とA東京で一緒でした。今、彼はリーグを代表するポイントガードになっています。A東京での彼は、安藤誓哉(現島根)、小島元基(現SR渋谷)に次ぐ3番手のポイントガードで、田中大貴(現SR渋谷)も司令塔の役割をこなせるので出番は少なかったです。彼にとってタフな状況だったと思います。ただ、練習での彼は素晴らしいプレーを見せていて、試合に出た時はアドバンテージを生み出していました。彼のプレーを見るのは好きです。人間的にも素晴らしく、彼と対戦するのを楽しみにしていました」 最後に改めて強調したいが、カークは起用法について全く不満を持っていない。ただ、ベンチスタートからもっと良いパフォーマンスを見せることができると、現状の自分に満足していないだけだ。現時点で昨シーズンからプレーの質を大きく向上させている彼が新たな役割へのアジャストを終えた時、どんなプレーで琉球の戦術の幅を広げてくれるのか。大きな楽しみだ。
鈴木栄一