岩渕真奈と町田瑠唯。女子サッカーと女子バスケのメダリストが語る、競技発展とパリ五輪への思い
“本場”の集客力や環境面の違いは?
――サッカーでは欧州、バスケットボールではアメリカが競技力や観客数でもトップクラスですが、環境面ではどのような違いを感じましたか? 町田:アメリカはバスケットがメジャースポーツで、観客の熱量も違います。ホームのお客さんだけで観客席が埋まりますから。ただ、一番違うのは見せ方だと思います。40分間の試合の中で、休憩やハーフタイムにも、お客さんを楽しませるために様々なことをしているんですよね。本当にエンターテインメントという感じで見せているのでお客さんも飽きないですし、お酒を飲みながら見られるので、雰囲気そのものを楽しんでいるお客さんも多いんです。アウェイの試合では、こっちがシュート決めても拍手はなくて、ずっとブーイングされていました(笑)。そういうところでも日本との違いを感じました。他のスポーツはあまり見に行けなかったんですけど、野球場が近くにあって、外からでも、すごく盛り上がっている雰囲気をいつも感じていました。 ――会場の熱量や楽しそうな雰囲気が伝わってきますね。イングランドもFAカップなどはすごくお客さんが入っている印象があります。 岩渕:アウェーのブーイングはすごかったですね。日本は娯楽が多いですが、イングランドは日曜日は家族でサッカーを見に行くことが文化になっていて、子どもたちは小さい時から地元のチームや好きなチームとともに育って大人になる、という流れがあるので、そこは日本との差を感じます。男子チームのファンやサポーターが多いのでそこをうまく取り入れているのと、女子チームもピッチ上だけではなくSNSの発信も見せ方がカッコいいし、興味をそそられるように発信するのがうまいなと感じていました。ただ、たくさんのお客さんが入るようになったのは2022年に代表がユーロで優勝してからで、リーグでは代表選手がいないチームはそこまで観客は入らなかったので。サッカーが文化として根付いているイングランドでも、代表の影響力は大きいんだなと思いました。