長野県伊那市と栃木県那須塩原市で導入されたEVバス「e-JEST」。地方公共団体が目指す循環型社会の行方
車両の販売を行うアルテック社長の池谷寿繁さんは、「EVバスであるe-JESTの導入は、持続可能な都市交通の実現を目指す伊那市のビジョンに合致し市内の環境保護にも貢献します。クリーンで快適な移動手段であるとともに“伊那市から減らそうCO2”という伊那市のお考えにも当てはまります」と、伊那市のスローガンとe-JESTの特徴が合致することを強調した。 この出発式には、トルコから来日したカルサン社のリージョナルセールスマネージャーであるギョルケム・ジナさんも同席した。
「伊那市のe-JEST出発式に同席できて光栄です。今後長きにわたるパートナーシップのはじまりです。白鳥市長のフロンティアスピリットに感銘するとともに、e-JESTがクリーンな移動の手段としてだけでなく、持続可能社会へと繋がっていくと確信しています」と力強く述べた。 ■車両デザインは公募から採用 伊那市に導入されたe-JESTの車両デザインは応募総数101点の中から、商業デザインを手がけているヤマシタタケシさんの案が採用された。大胆に白とピンクで塗り分けられ、乗員の乗降ドアのある車両左側(主にピンク色)と右側(主に白色)では非対称のデザインを用いるなど、自然豊かな伊那市の街並みとの親和性が高かった。
イーナちゃんバス仕様のe-JESTは2024年9月からすでに市内循環バスとして活躍している。 伊那市に続く第2弾として栃木県那須塩原市においてもe-JESTが市内循環バスに加わった。「eゆ~バス」と名づけられたe-JESTは、CO2排出量実質ゼロを宣言する那須塩原市の意向に合致するとして導入された。 2024年9月1日、eゆ~バスの出発式がJR那須塩原駅の駅前広場で開催された。開催にあたり那須塩原市長である渡辺美知太郎さんは、「那須塩原市では現在、サステナブルビジョンを推進しています。その一環としてカーボンニュートラル、ネイチャーポジティブ、サーキュラーエコノミーなどさまざまな環境施策を取っています。今回、公共交通でも脱炭素を進めていきたいと考え市民の方々になじみのある“ゆ~バス”のEV化(= eゆ~バス)が実現しました。市民の皆様にはeゆ~バスの導入により脱炭素を身近に感じていただけるものと期待しています」と、市の取り組みと導入のきっかけ、そしてeゆ~バスへの期待を語った。